PV数、CVRとも増加
レコメンドを利用したユーザーの行動がアクティブに
――レコメンドに関して具体的なお取り組みと、その成果をお聞かせください。
花輪 現在、モールのトップページとそれぞれのブランドのトップページ、商品一覧ページと商品詳細ページで、関連商品のレコメンドを行っています。その他、マイページ内のお気に入り商品の登録ページ、購入履歴のページなど、細かい施策をいくつも実施しています。
安藤 離脱率の高いページにおいては弊社からもアイディアを出しますが、シルバーエッグさんからも、過去の実績をもとに色々とご提案をいただいています。設置する場所やシーンによって効果的なシナリオは異なりますし、実施した結果を見て、細かいチューニングも行っています。
花輪 「アイジェント・レコメンダー」を導入してから、レコメンド経由の売上が1.3倍、CVRは1.4倍と大幅に改善しています。特徴的なのは、レコメンドを利用したユーザーと、サイト全体のユーザーを比較すると、1セッションあたりのPV数が2.5倍、CVRも3倍になっていて、レコメンドを利用することでモチベーション高くサイトを利用していただけていると感じています。
安藤 CVRは重要な指標ですが、まずはサイト内の商品やコンテンツをたくさん見ていただきたいという思いがあります。レコメンド導入の効果としてまず期待したのは、PV数の向上でした。EC利用の中心がPCだった時代、「サイトの売上はセッション数に比例する」という方程式がありましたが、今やスマホがECの中心になり、売上との相関性では、セッション数よりもPV数のほうが高くなってきています。ちょっとした空き時間を利用してサイトを訪問されたお客様に、いかに多くの商品を見ていただくか。目的買いで購買意欲が高いお客様ではなく、「何かあるかな?」くらいの軽い気持ちでサイトを訪問されたお客様に対して、どういった商品をオススメするべきか。レコメンドの担う役割は非常に重要です。
――PV数が売上に直結するというのは、ここ数年の傾向なのでしょうか。
安藤 いくつかの指標と売上との相関を10年位の長さで分析してきたのですが、特にここ数年はPV数との相関が非常に高くなってきています。スマホシフトが進んだことで、訪問あたりのPV数は減少傾向にあり、レコメンドツールの検討段階から、導入によってPV数を上げたいという目的を持っていました。PV数は伸びたけれど売上が上がらないのでは意味がないですが、おかげさまでPV数はもちろん、それ以外の指標も向上しています。
花輪 シルバーエッグさんによれば、モールのトップページとブランドごとのトップページからのレコメンド経由の実績は、ほかの導入企業さんと比較しても良い数値が出ていると聞いています。パーソナライズされたレコメンドを、各トップページからダイレクトに商品詳細ページに誘導していることが功を奏しているようです。
――先行して実装された、メールのレコメンドについてお聞かせください。
安藤 アイジェント・レコメンダーのオプションサービス「レコガゾウ」を組み込んだことで、「お客様がメールを開いたタイミングで最適なものをレコメンドする」ということが可能になりました。たとえば、すでに購入した商品を除外したり、直近で閲覧していた商品の関連商品をオススメするといったシナリオが可能になります。レコガゾウを利用しない場合、レコメンドする商品を事前に設定する必要があるうえ、メール配信設定から開封までのお客様のアクションが反映できなくなるということが発生します。
花輪 ユーザーにとってタイムラグなく、メールを見た瞬間にリアルタイムで最適な商品をオススメしてくれます。直近でご購入があったお客様には、「お買い上げありがとうございます。この商品にぴったりのコーディネートはこちらです」といったオススメが可能ですし、カート落ち対策はもちろん、カートに入った商品と関連する商品を一緒にオススメすることもできます。
安藤 MAの導入以前のメール配信では、必要なデータをダウンロードし、データを加工して配信をセットするという作業を手動で行っていました。MAの導入で、メール配信業務の効率化が実現できたうえ、レコガゾウの導入によってメールでのレコメンドの精度を上げることができています。