「使い方次第でダッシュボタン以上の効果を及ぼすことができる」Cuenote FCの可能性
――Cuenote FCのようなメール配信ツールを選ぶ際の判断基準や、活用時におさえておきたいポイントについて教えてください。
舘田 「メールを使って何をしたいのか」。そこをブレずに定めることがいちばん大切だと思います。まずはメール配信そのものに力をいれていきたいのか、それともマーケティングのひとつの手段としてメールを活用したいのか。自分たちがこれから取り組んでいきたいことをきちんと定めることが、最適なツールを見つけるための第一歩だと思います。
五十嵐 どんなツールを使うかに関わらず気をつけなければいけないのは、「配信自体が目的にならないようにすること」です。メール配信専任のスタッフがいるケースより、さまざまな業務のひとつとしてメール配信を行っていることが多いと思います。そうなるととりあえず「配信すること」が目的になってしまいがちです。
ですがメール配信においても、目的や目標数値などをしっかり設定し、施策を行っていくことが重要です。メールマーケティングはPDCAを早く回せるところも大きな利点ですね。実際に検証を繰り返しながらメールを送る時間や件名の最適化を行った結果、サイトのデイリーアクティブユーザー数が2倍以上増加したり、レコメンドシステムと連携を行い、お客様の嗜好にあった内容のメールを配信し、サイトのクリック率が4倍近くアップしたという例もあるんですよ。
――今後のCuenoteFCの展望を教えてください。
五十嵐 2016年12月に発売されたAmazon DashButtonはすごい発明ですよね。なくなりそうなときにポチっとボタンを押せばその商品が配達されるというのは、非常に新しい仕組みだと感じました。
ですが、私どもが提供しているメール配信システムやステップメールの仕組みなども、使い方によってはダッシュボタンに近しいことができるのではないかと思っています。こちら側の分析をもとに適切なタイミングを見定め、先手を打つようにメールをお送りする。さらに、そこにおすすめしたい商品の情報を加えることで、ダッシュボタン以上の効果を及ぼすことができるツールにもできるはずです。
そのためにも、企業がやりたいと思ったことを実現したり、さまざまなサービスとの連携をシステムとして手間なくできるようにしていきたいですね。メール配信だけでなく、さまざまなチャネルを通じて、企業とユーザー間の良質なコミュニケーションを行えるクラウドサービスを目指します。
LINEやFacebookをはじめ、SNSでのコミュニケーションが多様化してきたことで、「メールってまだ効果があるの?」という質問をいただくこともあります。ですが、メールはタイムラインに流されることなく、一定量の情報を確実に届けることができる点で、変わらず貴重なツールだと思っています。メールマーケティングでこれだけのことができるということも、EC事業者をはじめ多くの方に伝えていきたいですね。