「番組を一緒に作っている」という意識をいかに持ってもらうか
椙原氏が執行役員をつとめるCandeeは2015年2月に創業、今年で3期目をむかえる。
「動画を中心とした広告、新しい自社メディアの運営、スマホタレントの発掘から育成まで、動画にまつわる事業をやっている会社です。我々が今年の6月にリリースしたのがLive Shop!というサービスで、これが日本におけるライブコマースの先駆けだと自負しています。Live Shop!とは、ファッションやコスメなどの商品を、ライブ配信を見ながら気に入った商品をアプリ上で簡単に購入できるサービスです」
そう前置きすると椙原氏は、1本のデモ動画を流した。女性が動画でコスメ商品やヘアアレンジを紹介しており、同じ画面に次々と視聴者のコメントが表示されていく。特筆すべきは情報の流れてくる量とスピードだろう。「一度にたくさんの情報を処理するのに若い子たちは慣れているので、情報の量は多い」との理由からである。
現在Live Shop!では「とにかく様々なフォーマットのコンテンツ制作に挑戦する」フェーズだという。
「ライブコマースの番組作りは事例があるわけではありません。テレビショッピングは今までもありましたが、ライブでユーザーとのやりとりが発生するコンテンツは初めてだと思います。インタビュー、メイク比較、トーク番組、着回し対決など、いろいろ取り組んでいます」
2017年6月にサービスをリリースしてからおよそ4ヵ月。なにか手ごたえのようなものはあったのだろうか。
「番組を見てくれているユーザーさんをどうエンゲージメントしていくかが非常に重要だということがわかりました。例えば視聴中に商品を購入した人とそうでない人のいいねとコメント数を比較すると、約2倍の差があります。ですので、いかに番組自体に視聴者を巻き込んでいくかということを常に考えながら番組を企画しています。あとはユーザーさんが『Live Shop!で買ったものが届きました。ありがとうございました』など、TwitterやInstagramでどんどん共有してくれるのも特徴的です」