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中川政七商店・緒方さんと語る 実店舗を持つ企業のECの最適解とは

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ECだけじゃないオムニチャネルでは「巻き込み力」こそが最重要

緒方(中川政七商店) 中途入社で、改革を起こす立ち位置としてECを推進する立場の先輩として、これまで感じたことや学んだことをぜひ教えてください。

川添(メガネスーパー) ECに向き合いすぎて、ECの売上ばかり考えているとダメですよね。一方を向きすぎると、別のところで頑張っている人たちに目が届かなくなり、不満のもとになります。まして、そちらのほうが成長していればなおさらです。また、たとえばメガネスーパーにECに強い人間が入ったからメガネがECで売れるようになるといった考えや、オムニチャネル施策を始めれば勝手に売上が上がるだろうといった短絡的な考えは危ないですね。まず、ECとオムニチャネルがどういったものであるかを啓発していくことが先決かもしれません。

株式会社中川政七商店 執行役員/CDO 緒方恵さん

緒方 それすごくわかります。ECで入った人ほど、ECの中だけで活動することを求められがちですからね。しかしまずやるべきなのは、他部署や店舗の人たちに本気度を伝え「全社を巻き込む」活動だと思っています。「ECってECだけじゃない、全社でやっていかなければ」と感じてもらう必要がある。そもそもお客様からすれば、ECは選択肢のひとつであって、どこで購入しようが関係ない。全社単位でどう売上を上げていくのかという戦略を描き、その中でいかに有効活用するのか、お客様にとって有意義な仕組みにしていくのかということに尽きます。

川添 そのためには、経営陣レベルの視点で戦略を作るとか、率先してお店のチラシをまいたり、全国の店舗を回っていくキャラバンに参加するとか、行動で示す必要があります。正直に言って、ある程度までならECだけでも結果が出るんですよ。しかしその先のあるべき姿、高みを目指すためには、部下や管轄外の人たちを巻き込むことが必要です。

そのためにいつも考えるのは、「まずECが最適解であるか」ということ。たとえばメガネスーパーであれば、度付きメガネをECで売るべきかと言えば、やはりお店で買ったほうがいいでしょう。我々のアイデンティティは、しっかりした検査とヒアリングをもとに、そのお客様に最適なフレームとレンズをご提案することですから、無理してすべてをECで完結させる必要はないんです。今後のテクノロジーの進化で、度付きレンズの見えかたも再現できるかもしれませんが、そういった思想を共有することはEC単体で売上を上げるよりはるかに難しく、重要なことです。

株式会社メガネスーパー 店舗営業本部 デジタル・コマースグループ ジェネラルマネジャー 川添隆さん

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