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中川政七商店・緒方さんと語る 実店舗を持つ企業のECの最適解とは

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 アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、メガネスーパーでECを統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。第14回は、中川政七商店 執行役員の緒方恵さんが登場です。300年の歴史を誇る老舗ブランドが、本格的なECとオムニチャネルに挑む姿とは。

年商4億円から47億円にした13代目社長
さらなる高みを目指す、中川政七商店の挑戦

中川政七商店・緒方さん(写真左)とメガネスーパー・川添さん(写真右)

川添(メガネスーパー) 改めて、緒方さんのご経歴、現在の業務内容などを教えていただけますか。

緒方(中川政七商店) 新卒で東急ハンズに入社し、インテリア照明やスマートフォンアクセサリーのバイヤーを5年ほどやったあと、ネットストアを運用しているチームに異動しました。その後、ネットストア運用以外にも、ポイントID基盤の統合、スマートフォンアプリ開発などオムニチャネル推進の基盤・体制作り、SNSやウェブ広告などのデジタルマーケティング施策全般を担当していました。そういえば、川添さんと初めてお話したのは、前職を辞めることを決めた当日でしたよね。

川添 よく覚えています。セミナーなどで何度かお見かけしていたのでもちろん存じていましたが、最初の会話が「今日、辞表出しました」でしたからね。それもあって、次はどこへ行かれるのだろうと気になっていたのですが、中川政七商店と聞いて、こっち側に来たなと(笑)。私自身、前職が60~80億円規模の企業で自由にやらせていただいた経験と成果があり、今のメガネスーパーがあります。ECやデジタルマーケティングを先進的にやっていてバンバン投資できる企業というよりは、中途で入って改革を起こし、なおかつ、優先順位をつけてスモールスタートで投資していくような側にいると思っているので、近いところに来たなと思ったのです。

緒方 中川政七商店は、今年で創業301年目になります。「奈良晒」という手紡ぎ手織りの高級麻織物等の製造卸小売を行う一方、茶道具の製造卸も手がけています。現社長は13代目で、大学卒業後一般企業に就職したのですが、新たなステップを求めて家業である中川政七商店に2002年に転職しました。

当時は12代社長がメインで行っていた茶道具の売上が、全社売上12億円のうち7割を占めていて、雑貨部門は残りの3割を担っていたのですが、赤字でした。自社製品の品質の良さはそのままに、雑貨部門の黒字化を目指した13代は経理・生産管理などの業務フローを整えたのち、ブランディングに取り掛かりました。そして、卸売だけではなく小売業にも本格的に進出し、雑貨部門の年商を4億円から47億円まで伸ばしたのです。

13代が社長に就任したのは2009年ですが、今日の中川政七商店はこの13代社長の一大立て直し劇で生まれ変わったところが大きいです。300年受け継がれてきた伝統あるものづくりを大切にしながらも、さまざまな改革を即時断行する勢いがあるので、さながらベンチャー企業みたいな雰囲気ですね。言葉にすると面白いのですが「創業301周年目のベンチャー企業」です。

川添 改めて、中川政七商店を選んだのはなぜですか?

緒方 もともと中川政七商店のファンであったことも当然ありますが、いちばんはやはり、13代社長に惹かれたということに尽きますね。仕事は、誰とやるかが、なによりも大事だと思っているので。その上で、オファー内容もエキサイティングでしたから、もう絶対に行きたい!と思いました。

現状としては、社内にいる多くの人がウェブやEC、もう少し広く言うとデジタル・テクノロジー全般により大きな可能性を感じていたのですが、具体的に何をどうすれば良いのかや、優先順位、投資幅などが明確につかめていませんでした。ウェブを使ったコミュニケーションやシステムなどのデジタル領域に課題を抱えていたのですね。そのため私の業務範囲は、EC以外にも、ウェブ広告・SNS・オウンドメディア運営などのデジタルマーケティング領域はもちろん、バックエンドとなるサーバや基幹システム、POSまで多岐に渡ります。要するに、デジタル領域すべてということになりますから、受け持てる業務の幅と伸びシロに心が躍りましたということですね。

川添 デジタルが浸透していない組織にデジタル畑の人間が入ると、ちょっとしたコンフリクトが起こることもありますが、緒方さんはいかがでしたか。

緒方 実は、それは一切ありませんでした。さきほどお話したとおり、日々是改革な会社ですので、新しいものを受け入れる風土、変化を恐れない社風、これの懐がとても広く深かったです。私の入社に合わせて、私が希望した組織改編も即行ってくださった、というエピソードなどはそれを象徴している話だなと。これは、本当に驚きました。

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