ビッグデータの活用により、「誰が」「何を」買うかは予測可能に
林さんは、One to Oneマーケティングを「顧客1人ひとりをよく知り、それぞれのニーズに合わせた個別のアプローチを展開する手法」と定義。顧客をよく知るための手段のひとつが、データ分析だ。
One to Oneマーケティングにおける主なデータ分析のアプローチ手法として、この商品を誰が買うかを予測する「オファーセントリック(商品中心)」と、顧客が望むものを予測する「カスタマーセントリック(顧客中心)」のふたつがある。
「オファーセントリック(商品中心)」を用いれば、たとえば、購入確率(スコア)による絞込みによって、キャンペーンROIを最適化し、手堅いキャンペーンが行えるだろう。「カスタマーセントリック(顧客中心)」なら、顧客の趣味、関心や行動によるレコメンドに加えて、人気商品、注目商品、商品軸からも、複数のパターンを提案できる。
いずれの予測も、データマイニングや機械学習等を用い、予測モデルという数式を構築して行われている。噛み砕いて言えば、「Y=AX+B」のような式を作り、そこに顧客Aのデータを入れると、顧客Aが次に何を買うのかが予測できるようにするのだ。EC・通販業界でよく用いられるRFM分析は、R(Recency=最新購入日)、F(Frequency=購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの指標を用いた予測方法だ。テクノロジーを活用すれば、数千の指標から予測できるようになっている。
予測の精度は、データベースが左右する。トランザクション、Webログ、ソーシャルメディア、アプリから取得したジオフェンシングデータなど、多種多様なデータを顧客IDで紐付け、「データマート」として一元管理する必要がある。
「ビッグデータを活用することで、『誰が』『何を』買うのかは予測できるようになってきています。『何を分析して、どう活用したいか』が明確か否かで、成果も大きく変わってくるのです」
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