偽造品クレームを月2件に抑える、ブランド保護の取り組み紹介
Qoo10は近年、プラットフォームの持続的な成長を図るため、対外的な露出強化だけでなく、「セラーグロースにも力を入れている」と語ったのは、同社Seller Growth 部長の寺村宏氏だ。2023年4月には、Qoo10でのショップ運営ノウハウや成功事例を掲載した学びのプラットフォーム「Qoo10大学」を開設。EC初心者から大手ブランドへスピーディーに売上拡張するためのロードマップを提供している。
「Qoo10大学では、3年弱で875のコンテンツを提供してきました。これらはもちろん、Qoo10に出店するセラーであればいつでも見ることができます。
また、2025年には一方的な情報発信だけでなく、セラーの方々の要望にしっかり応えていこうとコミュニティも立ち上げました。ここで皆様からいただいた機能改善などのご意見は関係部署に連携し、プラットフォーム改善に役立てています」(寺村氏)
寺村氏は、ブランドが安心できる売り場を作るための取り組みにも言及。Qoo10では、メーカー公式ショップの販売商品には「公式」バッジを付与しているほか、不正出品・偽造品販売については、モニタリング強化や販売停止の申し立てができるフローも設けている。
「私たちは、ビューティー商材を扱うプラットフォームとして、ブランドを守り、売りやすい場にしていくことは欠かせないと考えています。2024年の偽造品に関するクレームは月平均2件という少なさからも、口だけでなく、実際に行動に移している様子を感じ取っていただければ幸いです。
さらに、他モールにも同時出店しているセラーの皆様の要望に応え、一元管理・販売支援・物流サービスなどとの連携も進めています。パートナー連携は今後も強化していく予定ですので、ぜひチェックしてみてください」(寺村氏)
体験の架け橋に オンラインプラットフォームのQoo10がリアルにも力を入れるワケ
ユーザー向けイベント「MEGA COSME LAND 2025」と同日に開催された「Qoo10 Beauty Conference」。オンライン起点でありながらも、リアルコミュニケーションに近いライブコマースから、多くのユーザーを一度に集めるオフラインの仕掛けまで、チャネルをまたいだエンゲージメント強化の仕組みを用意するプラットフォームは、日本においてまだ珍しい存在といえるだろう。
感度の高いZ世代を巻き込み、買い物そのものをエンターテインメント化してファンを増やしていく。こうしたエコシステムを拡大してQoo10が目指すのは、日本のビューティー市場全体の活性化と価値の増幅だ。その考えは、川鍋氏の次の言葉からも手に取るようにうかがえる。
「私たちQoo10の存在意義は、ブランドとカスタマーをつなぐことにほかなりません。カスタマーが自分の欲しい商品をワクワクしながら探せる。そして、ブランドは新しい出会いを得られる。こうした体験の架け橋になっていけるよう、これからも尽力していきます」(川鍋氏)
