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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

押さえておきたい!ECトレンド図鑑

世界3位以内を目指す韓国コスメ産業 ソウル探訪でわかった国主導の支援策とホットなスポットをレポート

韓国の“今”がわかる聖水を探訪 ブランド思想が見える3店舗を紹介

 今回の視察では、近年ソウルの若者に注目を集めるスポット・聖水(ソンス)にも訪れることができた。興味深い体験創出を行う店舗を中心に、いくつかピックアップしてお届けする。

最先端ロボットがその場で商品をカスタマイズする「AMORE聖水」

AMORE聖水

 1945年に設立され、韓国で最も歴史が長いK-Beauty企業といわれるアモーレパシフィック。コスメに限らずアートなどの「美」も追求し、アートミュージアムの運営なども行っている同社は、2019年10月より体験型フラッグシップストア「AMORE聖水」を展開している。

AMORE聖水 店内の様子

 同店は2階建てで、アートミュージアムを巡るように建物内を歩きながらアモーレパシフィックが展開する全ブランドの商品を手に取って試せるほか、自分だけのオリジナルリップやファンデーションが作れるブースも用意されている。

AMORE聖水で楽しめるファンデーション作り体験の様子
診断結果に応じてロボットが商品を作る様子も、目の前で見ることができる

 同店舗で興味深かったのは、入場時にスマートフォンでチェックインを行うとその場でクーポンが発行されるだけでなく、退店時に購入の有無に関わらず、その月限定のサンプルが配布された点だ。日本であれば、購入時に類似商品や新商品のサンプルを配布するのが一般的だが、ここでは「体験」そのものに対するリワードとしてサンプル提供がなされており、店舗のコンセプトそのものを体感できた。

あえて常設店の近隣で展開 hince「ロウグロウデューイーボール」POPUP STORE

 聖水にはK-Beautyブランドの路面店が多数出店されているが、この時期に常設店とは別にPOPUP STOREを展開していたのがhinceだ。同ブランドは、新商品のツヤバーム「ロウグロウデューイーボール」を2025年3月15日に発売。このPOPUP STOREは、常設店と異なるトンマナで新たな顧客層を開拓すべく、同じ聖水内にスペースを構えたという。

hince「ロウグロウデューイーボール」POPUP STOREの様子
hince「ロウグロウデューイーボール」POPUP STOREの様子
hince「ロウグロウデューイーボール」POPUP STOREの様子

日本同様、編み物などのDIYブームが起きている韓国。POPUP STORE内でも、来店特典としてノベルティのポーチにつけるストラップを作れるブースが用意されていた

「もしかすると、これまでのhinceは消費者の方からすると少しシックな印象があったかもしれませんが、ロウグロウデューイーボールはグリーンとピンクをテーマカラーとし、これまでのイメージとは一線を画すような展開を行っています。新たなhinceの顔をお見せするために、常設店の一角での展開ではなく、POPUP STOREを開催しました」(hince担当者・YUN氏)

 ロウグロウデューイーボールの展開にあたり、日本ではQoo10のセール施策「メガ割」開催前日の2025年2月27日より先行販売を実施。hinceの担当者いわく「日本での商品・販売戦略は、ほぼメガ割合わせで考えている」とのことで、やはりQoo10は日本への販路拡大において欠かせない存在となっているようだ。

日本発ブランドも路面店を出店 「SHIRO Seongsu」

建設中のSHIRO路面店の様子
建設中のSHIRO路面店の前には、オープン日が大きく告知されていた

 聖水は、韓国屈指のおしゃれスポットとして近年、国内外を問わずトレンドを扱うブランドがこぞって出店を進めている。日本発のブランドも例外ではなく、2025年4月26日にはSHIROがイギリス・ロンドン、台湾・台北に次ぐ世界3店舗目として、聖水に路面店「SHIRO Seongsu」をオープンした。筆者が来韓した際にはまだ建設中だったが、人気ブランドが軒を連ねる好立地に同店は位置していた。きっと、オープン後は多くの人々が訪れるスポットとなっているのだろう。

 2000年初頭まで工業地帯として発展していた聖水は、近年多くの建物がリノベーションされ、アート・カフェ・ファッションの街として伝統を守りながらも刷新されている。この5年ほどでK-Beauty産業が大きく盛り上がったように、これからも驚くべき速さで進化を遂げていくはずだ。仕事・旅行などで韓国を訪れる際はぜひこうした街を歩き、全身でトレンドを体感してみると良いだろう。店舗やブランドの世界観作りなどに役立てられるポイントが、きっと見つかるはずだ。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。2025年4月1日より、ECzine 副編集長を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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