顧客もインフルエンサー? キーワードは“ビジュアルの多様化”
様々なコンテンツの拡充を可能にする「visumo」。その機能の中から、井上氏はUGC活用にフォーカスし話を進めた。
UGCを「“一般”ユーザーが投稿したコンテンツ」と考えている人は多いだろう。しかし、井上氏は「“ユーザー”が示す範囲はもっと広い」と強調。ピラミッド型の図を用いてこう説明する。
「ユーザーを複数の層に分けたとき、一番上にはKOL(Key Opinion Leader)が位置します。有名インフルエンサーや芸能人など、影響力が大きいユーザーです。さらにマイクロインフルエンサー、一般ユーザーが続きます。一般ユーザーの中にも、商品のレビューを投稿してくれる層がいます。商品の情報を拡散する意味では、彼らもマイクロインフルエンサーといえるでしょう。
今は、消費者というくくりだけではなく、こうしたインフルエンサーや店舗スタッフ、本部スタッフといった全ステークホルダーがスマートフォンを片手にクリエイターになれる時代です。その上で、出会える情報の多様化とパーソナライズ技術の進化によって、消費者はより自分に合った情報を求めています。企業の成長には、コンテンツを効率よく増やすためにユーザーを巻き込んだ取り組みが重要です」

顧客一人ひとりに最適なコンテンツを提供する。その方法の一つが、ビジュアルの多様化だ。井上氏は事例として「ワークマン」の自社ECサイトを挙げた。
同サイトのダウンジャケットの商品詳細ページには、実際に商品を着用して「釣りをしている女性」「キャンプをしているカップル」「バイクに乗っている女性」などの写真が掲載されている。これらを見れば、顧客が商品説明を読まずとも「釣りで着用できるなら寒さに強いだろう」「バイクに乗るときに適しているなら防風性が高いはずだ」「男性も女性も似合う」と理解できる。井上氏は「ビジュアルで伝えられる要素は非常に多い」と説明する。

「自社ECサイトやSNSで商品を探す際、自分の生活とリンクしたコンテンツが表示されると、興味がわきますよね。このような顧客体験を実現するには、多様かつ多くのコンテンツを用意しなければなりません。しかし、自社だけでそこまでのリソースを割けないのが現実でしょう。だからこそUGC活用が重要なのです」
UGC活用のポイントとなるのが、タイムパフォーマンスだという。現代の顧客は、日々多くの情報と接している。自社ECサイトやSNS上で素早く目的の情報を得られなければ、離脱の要因になりかねない。顧客とコンテンツの出会いを創出する上で、井上氏は「自社ECサイトの構造の見直しが必要」と指摘する。
「たとえば、自社ECサイトではトップページから商品ページに遷移する構造が主流です。一方で、InstagramやTikTokといったSNSのユーザーは、タップやスクロールを繰り返しながら次々に新しいコンテンツと接しています。今後は自社ECサイトも“SNSライク”に進化しなければなりません。結果的に、消費者が自分に合ったコンテンツを見つけやすくなり、自社ECサイトのPVも伸びるでしょう」