越境ECの難易度を下げるUGX 関税手続き・海外モール納品を容易に
また、近年注目を集める越境ECについても、日本郵便では万国郵便連合(UPU)に加入する強みを活かし、独自の輸配送ネットワークを駆使した国際輸送・BtoC配送、海外モール出店時の配送サポートなどを提供している。
「国際宅配サービスの『UGX(ゆうグローバルエクスプレス)』では、関税元払いや複数個口扱いにも対応しています。国内のUGXセンターに荷物を送るだけで海外倉庫への納品や世界のお客さまへの配達が可能になるため、Amazon.comへの出店などといった販路拡張も大きくハードルを下げられます。茨城県で和物の製造・販売を手がける株式会社江戸てんさまは、UGXの利用で越境EC売上比率を約30%まで上昇されたとお聞きしました」
販促・コールセンター運営・BCP対策までカバー 最寄りの郵便局へ気軽に相談を
ここまで紹介したように、日本郵便は物流まわりだけでなく、ECビジネス成長の鍵となるサービスを様々な角度から提供している。時には業務効率化改善など、まるでコンサルティング企業のような提案をすることもあるそうだが、ここには「お客さまに寄り添い、本当に困っていることを解決したいという姿勢がある」と堤氏は強調する。
「たとえば、販売促進に困るお客さまには効果的な情報訴求の仕方やそれに合ったダイレクトメールの出し方をお伝えしたり、コールセンター運営で休日の人員確保に悩むお客さまには、土日の運営のみを日本郵便のグループ企業にアウトソーシングする案をお出ししたりと、お客さまの多岐にわたる課題に的確なアドバイスができる体制を整えています」

近年は、「災害時のリスク分散を念頭に置いたBCP(事業継続計画)対策の相談も多い」と続ける堤氏。ここにも、全国に約2.4万局存在する郵便局や25拠点ある営業倉庫、それぞれと企業や個人宅を結ぶ配達網といった、人々の生活と密につながってきた経験が大いに活かされているという。
「地域を支えてきた郵便局だからこそできる、細かなニーズの拾い上げもあると思っています。当社の法人向けサービス営業社員は現在1,000名ほどいますが、全国に拠点を構えているため、郵便局に寄せられたご相談にも速やかに対応可能です。
これまで対応してきたご相談の中には、『農産物の箱詰めを手伝ってほしい』『会社を立ち上げたばかりで梱包作業場がないため、郵便局の空きスペースを貸してほしい』といった依頼も存在します。当社は、地域の皆さまが困った時に気軽に相談できる相手になりたいと考えておりますので、物流やビジネスに関するお困りごとがあれば、些細なことでもぜひお申し付けください」