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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

押さえておきたい!ECトレンド図鑑

「THE NORTH FACE」らがリユースに見出したチャンス “公式”ならではの提供価値を聞く

 アパレル業界を中心に、リユース×eコマースへの気運が高まっている。リセール(再販)など、ブランドのリユース事業を支援するFree Standard株式会社らが2025年1月31日~2月2日に開催したサステナブルな循環型社会へのシフトを目指すイベント「THE FIRST CIRCULAR」には、70社以上のアパレル企業やパートナー企業が集結し、リペア(修繕)の技術などを公開した。収益性の課題が存在する中、各社はどのような点に取り組みの意義を見出しているのか。今回は、同イベント初日の様子をレポートする。

新品の半額以下で再販 それでも高い利益率

 「THE FIRST CIRCULAR」の開催目的は、長期利用・リユース・リサイクルを優先するサーキュラーファッションの楽しさ、意義を広めることだ。開催期間中は、ワークショップやアップサイクル商品の展示、上映会、トークセッションなどが行われた。「THE NORTH FACE」「ミキハウス」「ミズノ」をはじめ、数々のブランドが参加。ミシンを使った商品のリペア、藍染でTシャツを蘇らせる方法の実演などが注目を集め、中には各ブースに立ち寄る外国人観光客の姿も見られた。

 本イベントの主催企業の一つであるFree Standardは、自社ECサイトにリセール(再販)機能を導入するための支援などを行っている。

 リセールでは、多くの場合、販売価格が新品の半額以下となる。大手アパレル企業を中心に少しずつ事例が増えてきているものの、直接的な売上・利益につながらない点でハードルを感じるケースも少なくないだろう。しかし、Free Standardの取締役 野村晃裕氏は「環境面以外でもメリットはある」と話す。

「商品を回収する際、ブランド側が買取料を支払うのは難しい側面があります。そこで増えているのが、買取料ではなく会員ポイントを付与する方法です。お客様からすれば、次回お得に商品を購入できます。再度ブランドの実店舗や自社ECサイトに訪れるきっかけが生まれるのです。お客様と継続的な関係を築く意味で、CRM施策として活用できます。

 また、適切にプロセスを設計すれば、利益率で見るとリセールのほうが高い点もメリットだといえます。新品の商品は、生産するのに材料費や人件費といったコストがかかります。リセールでは既に商品があるため、クリーニングや査定に必要なコストを含めても、原価を新品の半分以下ほどに抑えることも可能です。もちろん単価や収集方法、販路など、様々な条件によって大きく変わりますが、しっかりと利益を得られる仕組みを作れます」(野村氏)

 こうした背景から、ブランドやメーカーが直接行うリセール事業の可能性に、各社が気づき始めているようだ。

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THE NORTH FACEが見つけた二次流通サイトにない強み

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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