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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

知名度向上・売上アップにつながるブランドの育て方

メーカーが直接インサイトを収集する意義に気づいた 創業200周年の伊勢半が得た自社EC展開の可能性

 2025年に創業200周年を迎える老舗化粧品メーカー、伊勢半グループ。耐久性をアピールしたアイメイクシリーズ「ヒロインメイク」など様々なブランドを生み出し、ドラッグストア・バラエティショップといった小売を中心に展開してきた同社は、近年デジタルを介した顧客接点の強化に挑んでいる。D2Cブランドの展開、自社ECサイトのリニューアル、SNSの発信強化など、各施策の目的と意図はどのようなものなのか。伝統とトレンドを取り入れるバランス感覚は、どのようにして養われているのか。時代に合わせた進化の変遷と今後の展望を、株式会社伊勢半 コミュニケーション本部 ダイレクトマーケティング部 デジタルプロモーション課 課長の小西泰彦氏に聞いた。

メーカーだから店舗送客優先 そんな伊勢半の価値観が変わったきっかけは?

 伊勢半グループの歴史は、江戸時代にまでさかのぼる。東京・日本橋小舟町で紅花から赤色の色素を抽出して作られる「紅」を製造・販売する紅屋・伊勢屋半右衛門(通称:伊勢半)として商売を始めた同社は、その製法や伝統を保ちつつ、時代に合わせた進化をし続けてきた。

「今も伊勢半の主要ブランドとなるKISSMEは昭和初期から存在し、戦後には総合化粧品メーカーとして口紅以外の商品も数々生み出してきました。2000年代以降には『ヒロインメイク』『ヘビーローテーション』など、アイメイクを中心としたシリーズも若い世代の支持を集め、ドラッグストアやバラエティストアといった実店舗を中心に、手に取りやすさと自分らしさを叶えるアイテムを提供しています」

株式会社伊勢半 コミュニケーション本部 ダイレクトマーケティング部 デジタルプロモーション課 課長 小西泰彦氏
株式会社伊勢半 コミュニケーション本部 ダイレクトマーケティング部 デジタルプロモーション課 課長 小西泰彦氏

 そんな同社がオンラインのチャネル活用に本腰を入れた大きなきっかけは、「やはりコロナ禍だった」と小西氏は振り返る。

「2020年以前より一部の自社製品を取り扱うECサイトを立ち上げてはいましたが、私たちはあくまで『メーカー』であるため、直販よりも小売店への送客を優先すべきと考えていました

 そのため、当時は『自社ECで売上を立てること』よりも『お客様に商品を知ってもらうこと』に注力していたのですが、コロナ禍で主力販路の店舗が休業するような事態が起きました。そこで、伊勢半ブランドのすべての商品が購入できる『ISEHAN online store』の本格展開が始まったのです」

 実は小西氏が伊勢半に入社したのは、コロナ禍が始まる1年ほど前の2019年3月。元々広告代理店でデジタル広告やSNS運用、ウェブサイト・ECサイトの成果向上に携わってきた同氏はこうした経験を生かし、現在では伊勢半ブランドのデジタル広告・SNS・EC運用など、オンライン領域全般の統括を行っている。

「自社ECを使った販路開拓は、コロナ禍という社会変化がもたらしたものですが、私が入社した当初から『デジタルに精通したZ世代以下の新たな購買スタイルに応えられるブランドやアプローチが必要ではないか』といった課題は挙げられていました。

 それに対する一つのアプローチとして、2019年頃から開発を進めていたのが当社初のD2Cブランド『MN』です。コロナ禍によってローンチ時期を変更するといった事態もありましたが、奇しくも自社ECの本格化に並行する形で2021年7月より販売を開始しています」

次のページ
D2Cは“購入”以外の資産も得られる 「MN」の展開から見えたこと

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この記事の著者

岩崎史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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