複雑な分析をシンプルに まずはLTV運用の環境を整えよう
続いて、菊池氏は「LTV運用を実現するために必要な環境」を解説した。まず、定期購入型ECの場合は、次の二つのデータをそろえる必要がある。
- 流入元のパラメータごとに獲得した顧客データ
- 「トライアルキット購入済」などといった、各顧客のステータス
また、単発購入型ECでは次のようなデータの取得が求められる。
- 流入元のパラメータごとに獲得した注文データ
- 各注文の顧客データと売上データ
- 顧客IDの作成日(新規顧客か既存顧客かの判定を補助するため)
こうしたデータを取得できる環境が整ったら、パラメータの種類や、媒体・キャンペーン・広告への割り当てを管理するマスタを作成する。そして、マスタをベースに媒体別、キャンペーン別、媒体×日別、キャンペーン×日別などと、様々な切り口での集計を繰り返すという。
「この作業を毎日行いつつ、日々の広告予算の調整やクリエイティブのPDCAを回すには、多くの工数がかかります。実現不可能に近いといえるでしょう。『Shirofune』を活用すれば、LTV運用に必要なパラメータマスタの作成やデータの連携・統合を自動で行えます。単発ROAS運用と同様の手軽さでLTV運用できるのが、大きな強みです」
「Shirofune」は、APIを通じてGoogle 広告やYahoo!広告といった広告プラットフォームや、Shopify、ecforceなどのカートと連携できる。その際にポイントとなるのが「柔軟性」「プライバシーセーフ」「短リードタイム」「即効性」の4点だ。
「『Shirofune』のデータ連携では、CSVのメール送付やクラウドへのファイルアップ、そのほかの方法で柔軟にデータをやり取りできます。その際、メールアドレスといった個人情報を必要としないため、プライバシー保護の観点でも安心です。また、必要なデータがそろっていれば、1~2週間でデータを連携できます。Shopifyの場合は、即日のデータ連携が可能です。過去データを取り込むことでLTVの予測値を算出できるため、すぐにLTV運用を始められるメリットもあります」
ここまで菊池氏が説明すると、最後に視聴者から「顧客ごとに計測・予測されるLTVを、どのように各広告に紐づけているのか」という質問が投げかけられた。これに対して、菊池氏は次のように回答しセッションを終えた。
「データ集計は顧客IDごとに行いますが、それらをまとめた上でどの広告から流入しているかを分析します。『このキャンペーンやクリエイティブから流入した人は、大体この程度までLTVが伸びる』といった具合です。細かい粒度でパラメータを割り当てているほど、より深く分析できます。当社がLTV運用をサポートしますので、ぜひお問い合わせください」