成功は小さな改善の積み重ね 「知る」「試す」「継続」のサイクルを回そう
ユニークな事例として挙げられたのは、株式会社はせがわが運営する「お仏壇のはせがわ公式アプリ」だ。
「同アプリでは、毎日開いて愛着をもってもらおうという考えから占いコンテンツを導入。運勢と併せて仏教用語や法事の際に役立つ知識・情報を伝えています。アプリのダウンロード数は10万超。コンテンツ閲覧数を踏まえて実施する施策を決めるなど、運営に顧客の反応を反映することで売上向上につなげています」
神田氏が最後に紹介した事例は、靴下、インナーウェア、服飾雑貨などの商品企画、小売、卸売を手掛ける株式会社チュチュアンナが提供する「tutuanna 公式アプリ」である。同アプリは、1日1回以上更新される運用と改善のスピード感が特徴だ。
「小さな改善を重ねた結果、同アプリのデザインは3年間で大きく進化しています。総ダウンロード数は300万、アプリ経由のEC売上は50%超、LTVの伸長率も年間110%と、見た目の変化だけでなく数字にもしっかりつなげている点は見習うべき点が多い事例といえます」
ここで神田氏は、成功事例に共通するアプリ運用のプロセスについて「勝てる方法を知る(ベンチマークの徹底)」「とにかく試す(再構築の徹底)」「勝てた方法を継続する(好き・執着)」の3つを挙げた。
「大きな変更を加えるのではなく、小さな改善を積み重ねて磨いていく。アプリ運用の鉄板施策を見つけるには、こうした思考が欠かせません」
One to Oneもリテールメディアも実現するYappliシリーズ
自社アプリとの親和性が高い飲食、生活雑貨、アパレル、スポーツ用品の4業界では、今や売上500億円以上の企業の87%がアプリを導入している(ヤプリ調べ)。しかし、各業界全体の割合を見ると2割から3割程度とまだまだ伸びしろがある状況だ。
「業務の多忙さや人手不足からアプリ構築が後回しになっている企業に対し、ノーコードで容易かつ円滑なアプリ運営をお助けするのがYappliです。ドラッグ&ドロップで機能追加やコンテンツ反映ができ、それらに対するユーザーの反応も管理画面で可視化しています。構築から運用、分析までを同じツール内で完結できるのが大きな特徴です」
LTV思考の重要性が高まる中、同社は2021年に顧客管理システム「Yappli CRM」をリリースしている。同ツールは、自社アプリ起点の顧客、ポイント管理を最短即日から実現可能だ。
「Yappliで構築した自社アプリの顧客体験をより強化させたいと思った方には、ぜひYappli CRMと組み合わせた活用をおすすめしたいです。そうすることで、行動データを用いたOne to Oneのマーケティングが実現できます」
神田氏は、例として飲食店をチェーン展開する「PRONTO」の事例に触れた。同店は、2021年10月にファンツールを自社アプリに一本化。自社アプリ内に決済機能を追加することで顧客の動きを逐一把握し、1人ひとりに合ったプッシュ通知を届けるなど、適切なコミュニケーションを実現できたという。
さらにヤプリは、近年注目が集まるリテールメディア事業への参入を容易にする「Yappli for Retail App Ads」の提供も開始している。
「同サービスは、自社アプリの中に広告枠を設置したり、店頭に設置したデジタルサイネージへのリターゲティング広告配信を実現したりと、アプリ起点での優良広告面創出とリテール企業の収益最大化を支援しています。
たとえば、20代から30代の女性向けのアプリが広告枠を設置してアクセサリーブランドが広告掲載をすれば、細かなセグメントを設定せずとも最初から適切なターゲットへの訴求が可能となります。ユーザー行動に沿った適切なプロモーションが送られれば顧客満足度も高まる上、企業も売上の最大化とアプローチ工数の削減双方を実現できます。アプリを通じたコミュニケーションに興味のある方は、ぜひ当社にご相談いただけますと幸いです」