顧客分析には「チームワーク」も寄与
新たなユーザーの行動を発見できた顧客探索プロジェクトだが、その進行では、チームや課を超えて、多種多様なメンバーが参加したという。この点も、本プロジェクトが成果を出せた理由だろう。
「アーバンリサーチでは、CX向上施策は決して1つの課・チームだけで完結しないと考えています。部署から部署へバトンを渡していくイメージで、カスタマージャーニーを描いているのです。広告、プレス、販売、CRMなど、様々な部署からプロジェクトメンバーが集まったことで、部署同士のコミュニケーションも深まりました」(尻江氏)
プロジェクトチームのチームワーク強化には、プレイドの「協業スタンス」が貢献した。プレイドが一方的に提案するのではなく、ワークショップ型で進行。双方向で意見を出し合ったそう。
それもあってか、各メンバーがデータ活用やKARTEの仕組みを理解。「改善施策などを検討する際の、議論の解像度が向上した」と尻江氏は話す。以前は「KARTEでポップアップを出せるか」という相談だったのが、「こんな行動を取ったお客様に、特定のページで、このようなメッセージを伝えたい。ベストな訴求方法は何だろうか」のように具体的になった。
「顧客理解は、課や部の垣根を超える唯一にして最強の共通言語です。アーバンリサーチさんは今回のプロジェクトをきっかけに、顧客理解という共通言語を持ちつつあるのではないでしょうか」(天田氏)
本プロジェクトを振り返り、最後は天田氏と尻江氏のそれぞれが「ECの意義とは何か、ECは誰のものなのか」という問いに言及。セッションを締めくくった。
「アーバンリサーチでは『ECサイトはお客様のもの』と考えています。EC運営の中では、『ECサイトはブランドのものか、デジタル部門のものか』といった議論も生まれがちです。しかし当社は、必ずしもECサイトで決済する必要はありませんし、ECサイトをスタイリングカタログとして活用していただいても良いと考えています。我々が取り組むべきは、それぞれのお客様が必要とするコンテンツを充実させていくことに尽きます」(尻江氏)
「ECサイトは単なるElectric Commerce(電子商取引)ではありません。これからのECサイトは、Emotional Connection(顧客とつながる場)になるべきです」(天田氏)
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