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おさえておきたいEC・通販先進企業

資生堂「ワタシプラス」に学ぶEC 実店舗と変わらない価値を提供する総合美容プラットフォーム


 化粧品の国内シェアトップである株式会社資生堂は、優れた販売力を活かして海外でも広く商品を販売しています。EC機能を備えたWebサービス「ワタシプラス」では、ネットから実店舗へ誘客する仕組みを構築しています。

 国内大手化粧品メーカーである株式会社資生堂は、国内だけでなく海外でも幅広く商品販売を行う企業です。EC機能を備えたWebサービス「ワタシプラス」を展開しており、日本ネット経済新聞が発表した2021年版「ネット通販売上高ランキング」では3位にランクインしました。

 本記事では、同社の基本的な企業情報や事業内容、各種ブランドの紹介や最近の動きについての解説を行います。

株式会社資生堂の企業情報・事業内容の概要

化粧品シリーズ
画像はイメージです

 株式会社資生堂は、明治時代に創業した歴史ある企業であり、現在では国内外で事業を展開しています。まずは基本的な企業情報や事業内容、そしておもなブランドについて見ていきましょう。

株式会社資生堂の企業情報

 株式会社資生堂の企業情報についてまとめると、次のとおりです。

社名 株式会社資生堂
本社所在地 東京都中央区銀座7-5-5
設立年月日 1927年(創業は1872年)
代表者名 代表取締役社長 CEO 魚谷雅彦
株式公開 東証プライム市場、OTCQX市場 上場
資本金 645億円
おもなグループ会社 資生堂ジャパン株式会社
資生堂フィティット株式会社
株式会社資生堂インターナショナル
株式会社ザ・ギンザ
資生堂薬品株式会社
など計78社(2020年12月31日現在)

 同社は1872年に福原有信氏が個人で創業した日本初の民間洋風調剤薬局を前身としており、1897年から化粧品業界に進出しています。2021年度の連結売上高は1兆352億円で、78社の関連会社を抱える企業です。

 社名の由来は四書五経の一つ『易経』の「至哉坤元 万物資生」に基づいており、西洋の科学と東洋の叡智を融合させた気風が資生堂の根幹となっています。

株式会社資生堂の事業内容

化粧品事業

株式会社資生堂は、スキンケア、メイクアップ、フレグランスなどの化粧品事業において、多様なニーズに合わせたブランド展開を行っています。

レストラン事業

 1902年に創業した「資生堂パーラー」やフランス料理店「ロオジエ」など、レストラン事業やフーズ事業も展開しています。

美容室事業

 肌の美しさだけでなく、からだ全体の健やかさや生活の質の向上にも取り組んでいます。ヘア、エステ、ブライダルなどのトータルサポートで美を追求しています。

教育事業・保育事業

 プロヘアメーキャップ育成のための教育事業のほか、事業所内保育所の運営サポートや保育プログラム開発などの保育事業にも取り組んでいます。

 以上のように、同社のノウハウを活かした「ビューティーイノベーション」を通じて、さまざまな事業やブランドを展開しています。

おもなブランドの紹介

 株式会社資生堂は、社歴の長さと幅広い事業展開から、以下のカテゴリーごとに多様なブランドを抱えています。

プレステージ

 デパートや化粧品専門店などでカウンセリングを通じて化粧品を販売する「プレステージ」には、「SHISEIDO」や「Clé de Peau Beauté」「DOLCE&GABBANA」などのブランドがあり、高価格帯の化粧品やフレグランスを販売しています。

コスメティックス

「コスメティックス」では、ドラッグストアや量販店で自由に化粧品を選べるよう中価格帯の化粧品が用意されています。「HAKU」や「ELIXIR」「PRIOR」などのブランドがあり、特性に応じてカウンセリングも可能です。

プロフェッショナル

「プロフェッショナル」は、ヘアサロン向けのヘアケアやスタイリング商品などを取り扱うカテゴリーで、おもなブランドとして「SHISEIDO PROFESSIONAL」があります。

ヘルスケア

「ヘルスケア」ではドリンクやサプリメントなどの美容食品を販売しており、ブランドとしては「The Collagen」が挙げられます。

クオリティーオブライフ

 生活の質を向上させるカテゴリー「クオリティーオブライフ」では、「Perfect Cover」というブランド名で美のトータルサポートをしています。

株式会社資生堂の沿革

沿革のイメージ
画像はイメージです

株式会社資生堂の創業から現在に至るまでの流れは、次のとおりです。

年代 沿革
1872年 福原有信が東京銀座で日本初の民間洋風調剤薬局を創業
1888年 日本発の練り歯磨「福原衛生歯磨石鹸」発売
1897年 化粧品業界に進出(オイデルミン発売)
1902年 国内初のソーダファウンテンを店舗内に設けてソーダ水やアイスクリームの製造・販売を開始
1917年 日本人制作による最初の本格的な香水「花椿」発売
1919年 現存する日本最古の画廊「資生堂ギャラリー」開設
1924年 愛用者向け文化情報誌「資生堂月報」創刊
1927年 株式会社資生堂となる
1928年 資生堂化粧品部、資生堂アイスクリームパーラー開店
1931年 東南アジア向けに「ローズ化粧品」輸出。初の本格的海外展開
1949年 東京証券取引所に株式上場
1953年 資生堂美容研究所(資生堂ビューティークリエーション部)開設
1959年 資生堂美容学校開校
1963年 イタリア・ミラノで販売開始、初のヨーロッパ向け化粧品輸出
1973年 レストラン「ロオジエ」開店
1975年 「資生堂ザ・ギンザ」開店
1989年 「企業理念」制定
1991年 欧州に初めて生産拠点を開設
1992年 パリに香水専門店「レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドー」開店
2003年 汐留オフィスに本社機能を移転
2012年 「ワタシプラス」サービス開始

 同社は、消費者のニーズや時代の変化を先取りする形でさまざまな挑戦を行ってきました。今後も人々の暮らしに影響を与える企業として、多方面での活躍が期待される会社だといえるでしょう。

株式会社資生堂の強みや特徴

メイクアップフルセット
画像はイメージです

 株式会社資生堂は、スキンケアやメイクアップなどの化粧品を中心とした事業を行っていますが、先述のように、美容室事業やレストラン事業など、美に関連したその他事業も幅広く展開しています。

 ここでは、株式会社資生堂のおもなビジネスモデルと、Webサービスである「ワタシプラス」の特徴について見ていきましょう。

店舗とECをつなげるビジネスモデル

 2017年に連結売上高1兆円、2019年に営業利益率10%を達成するなど、成長を続ける株式会社資生堂ですが、2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大による影響から、国内外の化粧品市場は厳しい状況となりました。一方、コロナ禍において自宅で過ごす時間が長くなり、健康意識が高まったことから、スキンケア市場では売り上げを伸ばしています。

 2021年、同社では主要戦略として「WIN 2023」を定めており、2023年までに取り組むロードマップを明らかにしています。

WIN 2023 目標 2030年に向けて

WIN 2023 目標 2030年に向けて
画像出典:「統合レポート2020 | 資生堂グループ企業情報サイト」掲載画像を編集部で作成し直しました

 具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)を経営戦略の中心に位置づけ、ECの売上比率を2023年に約35%とするKPI(重要業績評価指標)を掲げています。2019年は13%だったEC売上比率ですが、コロナ禍で需要が高まり、2020年には25%、2021年には34%と拡大を続けています。

 さらに、2020年に新設した、メディア戦略部・オムニエクスペリエンス推進部・デジタル戦略部・EC事業部の4つの部署からなるデジタルオフィスでは、各部署が連携しながらDX時代に対応した顧客体験の向上に取り組んでいます。

 たとえば、ARを活用してメイクの疑似体験ができる「バーチャルメイク」や、肌状態を測定する「肌パシャ」などのデジタルコンテンツを提供しています。ほかにもオンラインカウンセリングやデジタル接客など、さまざまなコンテンツを積極的に取り入れ、デジタル上でのコミュニケーションを大切にしています。

 このようにデジタル化を推進している資生堂ですが、あくまで「リアル」な化粧体験をベースとしており、実際に商品を使ったときの感触をイメージしてもらうための手段として、デジタルを活用しています。コロナ禍においてもリアルに近い形での販売に力を入れ、ビューティーコンサルタントによるライブ配信やオンラインカウンセリングの機会を増やしてきました。

ワタシプラスの特徴

 株式会社資生堂のWebサービス「ワタシプラス(watashi+)」は、商品や美容に関する情報提供、商品購入や使い方など、ユーザーが必要とするものをワンストップで届ける総合美容サイトです。

 資生堂がECでの販売に踏み切った背景には、業績の落ち込みがありました。契約を交わした専門店に商品を卸し地域密着型の販売網を築く「チェーンストア制度」により売り上げを伸ばしてきた資生堂でしたが、1997年の再販制度全廃をきっかけとして化粧品の価格競争は激しさを増しました。

 低価格品を充実させたドラッグストアやECを主軸とする化粧品メーカーが台頭するなかで、資生堂の売上は減少していきました。それまで資生堂は百貨店など外部でのEC販売も行っていませんでしたが、2012年にEC機能を持つ「ワタシプラス」をスタートさせたのです。

 ワタシプラスの強みは、ネット経由で集めた顧客を自社の専門店に誘導する仕組みを構築していることです。この仕組みは資生堂が初めてであり、競合他社とは異なるアプローチを図りました。

 ワタシプラスはECサイトではなく「美のプラットフォーム」と位置付けられています。カウンセリングや肌測定をはじめ、商品や美容に関する豊富な情報を発信することで、本来なら店頭でしか体験できないさまざまサービスをデジタル上で再現しています。

 実店舗やECサイト、SNSなどを一体のものとしてとらえ、さまざまな販売チャネルを活用することでブランド認知度の向上や消費者との接点をつくる機会を増やしているといえるでしょう。

株式会社資生堂の最近の動き

 株式会社資生堂では、各種イベントや体験型サービスを積極的に展開しています。ここでは、最近の動きについて見ていきましょう。

ライブコマース型オンラインイベント「Shiseido BEAUTY EXPO by watashi+」を開催

 2020年11月13日と14日の2日間、ライブコマース型のオンラインイベント「Shiseido BEAUTY EXPO by watashi+」が開催されました。「これからのキレイ」を視聴者と一緒に考える試みの一環で、ライブ配信中に気になる商品をスマホから直接購入することができるイベントです。

自分の顔でメイクテクニックを体験できる「ワタシプラスVIRTUAL HOW TO」

ワタシプラスVIRTUAL HOW TO
画像出典:PRTIMES

 メイクのテクニックをバーチャルで学ぶことができる「ワタシプラスVIRTUAL HOW TO」のサービス提供が2021年12月15日から開始されました。AIを搭載したライブチュートリアル機能によって、メイクアップアイテムの色や質感をモニター上で学びながらトレンドメイクを体験できます。

 試してみて気に入った商品は「ワタシプラス」でも購入することが可能で、利用者の利便性を高めているといえるでしょう。

初めてメイクをした頃を振り返る「BEAUTY TIME MACHINE」

BEAUTY TIME MACHINE
画像出典:PRTIMES

 ワタシプラスでは資生堂創業150周年を記念して、2022年5月13日~12月31日の期間中「BEAUTY TIME MACHINE」というスペシャルサイトを開設しています。「自分らしい美しさ」を重視する人たちに向けて、過去のトレンドや当時流行した商品、現代から未来までの美のあり方と向き合うための機会を提供する新感覚の体験型コンテンツです。

目を通しておきたい資生堂のトピックス

まとめ

 株式会社資生堂は、化粧品を中心とした事業を展開していますが、美容室事業やレストラン事業など、肌だけでなくからだや暮らしを健やかなものにしていく取り組みを行っている会社です。2012年からはECにも取り組み始め、それまで築いてきた全国の店舗網とECサイトを両立させる形でワタシプラスをスタートさせています。

  デジタルを推進していますが、主軸としては「リアル」な化粧体験をベースとしているため、消費者がWeb上でも実店舗と同等のサービス提供を図っている点が特徴です。2022年には創業150周年を迎え、日本だけでなく世界でも支持されるブランドとして成長を続けています。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/11496 2022/08/03 12:31

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