Google ショッピング広告で目的買いの新規ユーザーを獲得
Google ショッピング広告は、商品情報を元に作成したデータフィードを用いて出稿する検索連動型広告だ。Googleの検索結果上部に、ユーザーの検索意図にあった広告を表示することで顕在層にアプローチする。
「Google ショッピング広告では売上拡大を図るほかに、新規ユーザー、新規会員の獲得を目指しています。2022年3月の新規会員登録数は、Google ショッピング広告経由が全体の10%を占めています。 そして同月のGoogle ショッピング広告経由売上は、EC全体売上の約5%を占めるまでに成長を続けています」(シモジマ・濱崎氏)
Googleでは、「スマート ショッピング キャンペーン」という機械学習を活用してターゲティングから広告配信、入札調整までの最適化を自動で行う広告配信手法があり、Googleはこれを利用することを推奨している。とくにシモジマオンラインショップのように商品点数が多いECサイトでは、人力で迅速な最適化を行うことが難しいため重宝する配信手法だ。
「スマート ショッピング キャンペーンは自動化されるメリットがありますが、商品単位の最適化はGoogleのアルゴリズムに任せることとなるため、カテゴリごとの売れ筋商品対応は難しい状況でした。当社は、シモジマ様の課題と直結するシステム開発を進めていたこともあり、売れ筋商品に予算配分を注力する施策に2021年6月頃からご協力していました。同年の冬頃には売上が約1.5倍になるなど、成果にもつながり始めています。ちょうど同じ頃にGoogleも、広告の費用対効果の度合いで商品を分類し、複数キャンペーンで配信する形を推奨するようになり、結果的に取り組みとGoogleの方針が合致することになりました」(SO Technologies・ 中村氏)
SO Technologiesでは、売れ筋商品の広告配信を強化する仕組みを、Google ショッピング広告を始めとしたフィード広告の配信を最適化するシステムとして開発を行っていた。シモジマ以外にも複数の企業で施策導入を進め、参加した85%以上のECサイトにおいて広告経由の売上が平均1.5倍増と成果につながったことから、シモジマオンラインショップにも2022年4月にシステムを本格導入となった。焦点を合わせる「フォーカス」と、マーケティング用語で売上拡大を目指す手段といった意味を持つアップセルやクロスセルの「セル」を組み合わせた「フォーカセル」の名で正式リリースされたサービスである。
「シモジマ様のように商品点数が多く、季節ごとに売れ筋や推したい商品が入れ替わるECサイト様では、Google ショッピング広告の配信最適化のために、データ取得、分析、施策考察、実行を人力で行うのには、とても手が回らないでしょう。『フォーカセル』はAIによってフィード広告配信をシステム化し、商品単位での広告強化が可能となります。売上最大化を実現するロジックは、SO Technologiesの提供サービス上で管理されている広告データをもとに、統計および機械学習の専門家によって構築されています」(SO Technologies・ 中村智氏)
取材は2022年4月の導入直後に行われたが、導入によりROASが上昇したほか、SNS広告等と比較して新規会員登録単価を低く保ったまま、新規ユーザー、会員登録数を増やすことに貢献している。商品カテゴリや季節イベントのキーワードで検索する、目的買いのユーザーをGoogle ショッピング広告によって獲得できているのだ。2021年6月のSO Technologiesの支援開始からの推移では、なんと約4倍の規模にまで広告経由の売上規模拡大ができていると言う。
「フォーカセル」は長く使うほど機械学習が進み、広告配信はより最適化されていく。今後も使い続けることで、さらに成果を伸ばしていけると期待を寄せている。