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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECホットトピックス(AD)

シモジマが広告経由収益を4倍に拡大 「フォーカセル」のフィード広告最適化と購入導線改善で売上増目指す

 包装用品を中心に約2万点の商品を販売する「シモジマオンラインショップ」がフィード広告最適化に「フォーカセル」を採用した。2026年3月期計画で、商品点数100万SKU、ECチャネルで50億円の売上を目指すシモジマのフィード広告への取り組みとは。

シモジマがフィード広告最適化に「フォーカセル」導入

 大正9年創業、包装用品を中心に、事務用品や店舗装飾品など商店で必要とされる消耗品を提供する卸売業を展開しているシモジマは、ECサイト「シモジマオンラインショップ」にて、ラッピング、紙袋、包装紙、箱、ポリ袋、紐・リボン、文具事務用品等など、約2万点(2022年4月時点)の商品を販売。ネットで注文して店舗で受け取るBOPISなどオムニチャネル化を推進し、2026年3月期計画ではECチャネルで50億円の売上を目指している。

 “パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指すという長期方針のもと、シモジマオンラインショップでも事業者に寄り添った提案を行っている。2022年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」に対しては、2021年9月に特集ページを設置するなど事業者の迅速な対応を支援。また、母の日、父の日、お中元、クリスマス、お歳暮、バレンタイン、ホワイトデーなど、季節のイベントに事業者が対応しやすいよう販促スケジュールカレンダーを提示し、接客を行っている。

 シモジマオンラインショップの特徴は、事業者を対象としたBtoBビジネスであること、商品点数が多いこと、売れ筋やシモジマが推したい商品が業種によって頻繁に変わることだ。とくにウェブ広告については、人力ではメンテナンスが追いつかずにいた。解決方法のひとつとしてシモジマが導入したのが、EC向けフィード広告最適化サービス「フォーカセル」だ。

 シモジマオンラインショップを運営する谷口洋平氏、濱崎一花氏、そして「フォーカセル」を提供するSO Technologies 中村智氏に詳しい話を聞いた。

社内ではSEO強化、ネット広告は専門性の高いパートナーに委託

 シモジマのECへの取り組み強化は2016年頃から。モノ(商品)を作れば売れる時代から、スマートフォンの普及によりいつでもどこでも買い物ができる時代へと変わったことを受け、ECへの取り組み強化を始めた。

 オンラインショップでも、「包装用品を通じ、快適な社会づくりに貢献する」の理念は変わらない。たとえば、2022年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」に事業者がいち早く対応できるよう支援している。

「『脱プラスチックカトラリー特集』をオンライン上で公開し、サイトトップのスライドバナーで周知をしています。 飲食店やカフェを運営されている顧客が多くいらっしゃるため、2021年の9月中旬頃から本特集を公開しました。 プラスチック資源循環促進法についての概要と、それに即した木製・紙製・竹製・バイオマス素材配合のアイテムをそれぞれ紹介しています。また、エコな食品容器、無料配布可能なレジ袋などもピックアップしています。 店舗ではお客様に周知させていただくため、PPやIP(いずれも店舗でのプレゼンテーション)で提案しています」(シモジマ・谷口氏)

株式会社シモジマ マーケティング本部 DX推進部 EC運営課 課長 谷口洋平氏
株式会社シモジマ マーケティング本部 DX推進部 EC運営課 課長 谷口洋平氏

 現在のシモジマオンラインショップ運営は、商品登録チーム、在庫連携チーム、デザインチームの3つに分かれて行っている。マーケティング施策に関しては、「チャネル別にセッションを増やす」「LTV向上を図る」などのいくつかの目的のもと、前述の3つのチームに施策担当者を置く形だ。

 なかでもSEOについては、商品カテゴリページの充実や実店舗の店長がブログ記事を執筆するなど、社内リソースを割いて重点的に取り組んできた。ネット広告については、EC開始当初は社内で運用していたが、その分野に詳しい人員の確保が難しく、力を割けずにいるのを課題だと認識していたと言う。

「ネット広告分野で専門性の高い企業様とタッグを組んで取り組みをした結果、効果を生み出していただけたと感じております。商品データフィードを活用したGoogle ショッピング広告についても当初から取り組んでおりましたが、こちらも外部にお任せしたことでさらに成果につなげていただいています」(シモジマ・谷口氏)

Google ショッピング広告で目的買いの新規ユーザーを獲得

 Google ショッピング広告は、商品情報を元に作成したデータフィードを用いて出稿する検索連動型広告だ。Googleの検索結果上部に、ユーザーの検索意図にあった広告を表示することで顕在層にアプローチする。

「Google ショッピング広告では売上拡大を図るほかに、新規ユーザー、新規会員の獲得を目指しています。2022年3月の新規会員登録数は、Google ショッピング広告経由が全体の10%を占めています。 そして同月のGoogle ショッピング広告経由売上は、EC全体売上の約5%を占めるまでに成長を続けています」(シモジマ・濱崎氏)

株式会社シモジマ マーケティング本部 DX推進部 EC運営課 濱崎一花氏
株式会社シモジマ マーケティング本部 DX推進部 EC運営課 濱崎一花氏

 Googleでは、「スマート ショッピング キャンペーン」という機械学習を活用してターゲティングから広告配信、入札調整までの最適化を自動で行う広告配信手法があり、Googleはこれを利用することを推奨している。とくにシモジマオンラインショップのように商品点数が多いECサイトでは、人力で迅速な最適化を行うことが難しいため重宝する配信手法だ。

「スマート ショッピング キャンペーンは自動化されるメリットがありますが、商品単位の最適化はGoogleのアルゴリズムに任せることとなるため、カテゴリごとの売れ筋商品対応は難しい状況でした。当社は、シモジマ様の課題と直結するシステム開発を進めていたこともあり、売れ筋商品に予算配分を注力する施策に2021年6月頃からご協力していました。同年の冬頃には売上が約1.5倍になるなど、成果にもつながり始めています。ちょうど同じ頃にGoogleも、広告の費用対効果の度合いで商品を分類し、複数キャンペーンで配信する形を推奨するようになり、結果的に取り組みとGoogleの方針が合致することになりました」(SO Technologies・ 中村氏)

  SO Technologiesでは、売れ筋商品の広告配信を強化する仕組みを、Google ショッピング広告を始めとしたフィード広告の配信を最適化するシステムとして開発を行っていた。シモジマ以外にも複数の企業で施策導入を進め、参加した85%以上のECサイトにおいて広告経由の売上が平均1.5倍増と成果につながったことから、シモジマオンラインショップにも2022年4月にシステムを本格導入となった。焦点を合わせる「フォーカス」と、マーケティング用語で売上拡大を目指す手段といった意味を持つアップセルやクロスセルの「セル」を組み合わせた「フォーカセル」の名で正式リリースされたサービスである。

「シモジマ様のように商品点数が多く、季節ごとに売れ筋や推したい商品が入れ替わるECサイト様では、Google ショッピング広告の配信最適化のために、データ取得、分析、施策考察、実行を人力で行うのには、とても手が回らないでしょう。『フォーカセル』はAIによってフィード広告配信をシステム化し、商品単位での広告強化が可能となります。売上最大化を実現するロジックは、SO Technologiesの提供サービス上で管理されている広告データをもとに、統計および機械学習の専門家によって構築されています」(SO Technologies・ 中村智氏)

SO Technologies株式会社 フォーカセル プロダクトマネージャー 中村智氏
SO Technologies株式会社 フォーカセル プロダクトマネージャー 中村智氏

 取材は2022年4月の導入直後に行われたが、導入によりROASが上昇したほか、SNS広告等と比較して新規会員登録単価を低く保ったまま、新規ユーザー、会員登録数を増やすことに貢献している。商品カテゴリや季節イベントのキーワードで検索する、目的買いのユーザーをGoogle ショッピング広告によって獲得できているのだ。2021年6月のSO Technologiesの支援開始からの推移では、なんと約4倍の規模にまで広告経由の売上規模拡大ができていると言う。

 「フォーカセル」は長く使うほど機械学習が進み、広告配信はより最適化されていく。今後も使い続けることで、さらに成果を伸ばしていけると期待を寄せている。

100万SKUのECサイトへ フィード広告への期待

 シモジマオンラインショップでは、中期計画として2026年3月期までに100万SKUを展開するという目標に向けて始動している。

「店舗、営業、ECのお客様を統合管理することによって、オンライン・オフラインの切り分けなくお客様にとって最適なお取引ができるようにしていきたいと思っています」(シモジマ・谷口氏)

 従来、ECの売上アップの施策としては、掲載商品数を増やすことでランディングページとなるカテゴリページを増やし、そこに対して適切なSEOを実施。オーガニックのセッションを上げていき、新規ユーザーの取り込みを図るというパターンで行ってきた。扱う商品点数が増えるのは追い風である。

 だが、オーガニックで取り込めないが売上につなげたいアイテムや訴求したい特集ページは現時点でも数多く存在していると言う。今後商品点数が増えれば、ますます人力のSEOだけでは限界があるだろう。そこで期待するのが、Google ショッピング広告をはじめとするネットのフィード広告だ。

「『フォーカセル』の仕組みがどう運用に寄与していくのか、効果が楽しみです。今後もパートナー企業様と密にタッグを組んで、シモジマオンラインショップを通じてより多くのお客様に、シモジマの長期ビジョンでもある、“パッケージ×サービス”でお客様に元気を届けるトータルパートナーを目指す”を実現して参りたいと思います」(シモジマ・谷口氏)

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