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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

インバウンドビジネス最前線

アジア向け越境EC支援実績200社超!アジアンブリッジ代表に聞く国別ノウハウと普遍の成功法則

 台湾をはじめとするアジア各国の越境ECで実績を上げているアジアンブリッジ。 越境ECで売上を伸ばす秘訣とは。同社代表 阪根嘉苗さんに語ってもらいました。これからアジア向け越境ECを始めたい人、すでに取り組んでいるけれどなかなか結果が出ないと悩んでいる人は必読です。

アジアへの越境EC 日本企業が失敗しがちなふたつの要因

アジアンブリッジ株式会社 代表取締役 阪根嘉苗さん

――アジアへの越境ECサービスを提供されていますね。詳しく教えてください。

阪根 台湾、タイ、香港、マレーシア、シンガポールなどのアジアの国々をターゲットにした越境ECのサービスを行っています。具体的には、LPのローカライズ、ECモール出品、デジタルマーケティング、商品のブランディング、貿易などです。私たちの競合他社様は、マーケティング支援に限定しているところもありますが、当社は海外の店舗展開も行っています。つまりマルチチャネルに展開することができるのが当社の強みでもあります。ECで商品を買いたいお客様もいれば、店頭で実際に手に取ってみてから買いたいというお客様もいます。マルチチャネルで購入層の幅を広げることによって、さらなる売上向上を狙っていきます。

 越境EC支援会社の多くが、広告、マーケティング、サイト制作、システム提供をメイン事業としていますが、当社は異なります。日本のメーカー企業様の海外におけるビジネスを継続的に成長させることを最重要KPIに置いています。短期的に、広告費やサイト制作費をいただき、マーケティングの提案を行うというやりかたは採用していません。ご相談を受けた後の最初の商談の場では目標とする売上を確認し、2回目の商談では、その売上目標を達成するための3年分のPL(損益計算書)を作成して提出させていただきます。これは起業当初からこだわっているところです。PLを提出すると「ここまでやってくれるところはない」と驚かれることもあります。このPLは当社の過去の実績や経験値の根拠から算出しておりますので、実態とかなり近いものが出来上がります。

 アジアでの越境ECとひとくちに言っても、国によって商習慣や売れるものは違ってきます。いきなりアジアすべてを網羅して手掛けるのではなく、まず台湾の消費者をターゲットに越境ECに挑戦することを当社ではお薦めしています。正直なところ、台湾でうまくいかなかった場合、他の国で成功する確率は低いです。台湾は日本に近い商習慣もありますし、日本好きな人も多いですから。

――越境ECに挑戦する企業が増える中、なかなか結果が出ないところも少なくありません。日本企業がうまくいかない原因はどのようなものがありますか?

阪根 大きくふたつあります。ひとつは自分たちの商品は良い物だし、日本で売れているから外国人にも売れるだろうとの考えをお持ちであること。よって、とりあえずECサイトさえ作れば売れると思っていらっしゃいます。厳しい言いかたですが、越境ECに対しこのように安易なお考えだとうまくいきません。想像してみてください。日本においてどんなに有名な商品であっても、海外のECモールに商品を掲載しただけでは、なかなかお客様は来てくださいませんよね。さらに、ビジネスとして継続的に成長させたいのであれば、一度売れたら終わりではなく、お客様に再訪いただき、継続購入に結び付けるような施策を打ち続ける必要があります。

 ふたつめは、各国が持つそれぞれの商習慣を無視し、自分たちの都合を押し付けてしまうこと。「日本のやりかたはこうだから」「本社の方針はこうだから、海外販売だけ変えるわけにはいかない」など、自社の商習慣を海外販売用に変えられない企業様も結果が出づらいと言えます。たとえば、日本の商習慣から、越境ECでも定期購入で長くお付き合いしたいと考えたとしても、そもそも定期購入という習慣がある国が少なく、契約期間も長くありません。定期購入モデルで利益を出してきた企業にとっては難しい課題が突きつけられることになりますが、そのような状況でどう戦っていくかを考えるところから越境ECは始まります。

 アジア圏では、定価では物を買わず安くなってから買う習慣がある国もあります。定価にバツ印をつけ安い価格を表示したりしますが、日本では二重価格表示に当たることもあり、驚く企業様も少なくありません。中国では、有名な「独身の日」ほか、春節や旧正月のタイミングで、一大セールを行います。「セールには便乗したくない」という日本企業様もいらっしゃいますが、越境ECという視点では結果につながりづらいです。総じて、海外には海外の売りかたがあることを理解することが、まず重要だと当社では考えています。

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この記事の著者

浦澤 修(ウラサワ オサム)

ライター・編集/株式会社オージャパン 代表取締役 浦澤修

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/10901 2022/02/07 07:00

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