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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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一度解約を決めた顧客を「Smash」が解約抑止 9ヵ月後も6割が利用継続するエリカ健康道場の活用事例

 「酵素ドリンク 優光泉」の定期通販を営むエリカ健康道場は、解約率の改善のためリテンションボット「Smash」を2020年10月に導入し、顧客とのコミュニケーションの改善に励んできた。運用して約1年、一度解約を決めた顧客を「Smash」の活用により解約抑止につなげ、9ヵ月後も6割が利用継続していると言う。詳しい話を聞いた。

解約抑止、利用継続にもつなげるリテンションボット「Smash」

 「酵素ドリンク 優光泉」の定期通販を営むエリカ健康道場では、「お客様に寄り添う」方針の下に解約率改善を目標に掲げ、2020年10月より1年以上にわたり、リテンションボット「Smash」を導入して最適なコミュニケーションを模索している。

 具体的には、「Smash」を用いたコミュニケーションからデータを取得、課題を明らかにし改善策を講じている。たとえば、導入以前から解約理由としてもっとも多いであろうと仮説立てていた「飲みきれず余っている」が実際に解約理由の半数以上を占めていること、顧客が解約ページを訪問する時間帯として、朝の9時、10時が大半を占め、他社と比較すると特殊であること等が、「Smash」を活用することで客観的な数値で明らかになった。それらの課題に対し、電話やメール等既存チャネルにおけるシナリオ変更やオウンドメディアでのコンテンツ提案、顧客ニーズに合わせた新商品の開発などの対策を行ってきた(参考記事)。

 導入から1年以上。エリカ健康道場ではECサイトリニューアルを実施し、「Smash」導入ページの変更なども行われた。同社でECサイトのページ作成や改善を担当するPRチームチーフ 永岡みづほさん、PRチームリーダー 森永伶さん、そしてエリカ健康道場の担当として「Smash」を運用する株式会社Smashの鍋島南那さんに、直近の成果と1年にわたる取り組みについて話を聞いた。

チャットボットで解約理由を明確に 課題解決で解約率改善

 「Smash」は、サブスクリプションサービスや定期通販を営む企業向けのリテンション対策に特化したチャットボットである。導入によってデータを取得して課題を可視化し、導入企業のリテンション施策にデータやツールそのものもチャネルのひとつとして活用されている。

 前回の記事では「飲みきれず余っている」が実際に解約理由の7割を占めること、朝の9時、10時が大半を占め、他社と比較すると特殊であることが「Smash」取得データによって判明し、エリカ健康道場の持つさまざまなコミュニケーションチャネルで、シナリオやコンテンツの改善などに活かされたことを紹介した。

 特徴的な取り組みのひとつが、解約を検討する顧客に「休止(次回の注文をスキップ)」してはどうかという提案を行ったことである。定期通販を営む企業では休止も敬遠されがちだが、結果的には目の前の解約抑止に貢献しただけでなく、商品への好感度が高い顧客は、休止期間を終えるとモチベーションが高いまま、利用を再開することが判明した。

 「季節要因で解約ページへの訪問が多かった2021年3、4月は、『Smash』で『休止』をご案内する機会が増えました。結果的に『Smash』での接触から1ヵ月後の4月の解約抑止率は14.55%、5月は18.91%となりました」(Smash・鍋島さん)

株式会社Smash CSM 鍋島南那さん

 他にも「酵素ドリンク 優光泉」を用いたレシピの提案を行っている。「飲みきれず余っている」のが最多解約理由であれば、「そのまま飲む」以外の手段で摂取するサポートをしようという取り組みである。

 「レシピはコーポレートサイトに掲載されていますが、誘導の手段が少なく、従来はそれほど活用されていませんでした。『Smash』で誘導することで、摂取方法の選択肢を増やし、結果として『飲みきれず余っている』という課題の改善につなげることができました」

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わかりやすく解約方法を示すことは信頼につながる

 そもそも3、4月はライフイベントが多いため、定期通販の解約率は高い傾向にあることをSmashでは把握している。エリカ健康道場でも解約ページへのアクセスが増加したが、7月には当時の解約抑止率の最高数値である19.00%まで戻すことに成功した。

 その理由は、ECサイト上で解約方法をわかりやすく示すことをやめなかったからだと鍋島さんは言う。解約方法をわかりにくくすることで解約を抑止するのは業界の慣例となってしまっているが、エリカ健康道場ではそれに倣わなかったのである。

 「解約されることを懸念し、解約方法をわかりにくくする施策にはふたつのデメリットがあります。ひとつめは新規のお客様が不安に思い、定期購入の申し込みを行わないこと。ふたつめは、苦労して解約方法にたどり着いたことで溜まっていたフラストレーションから、一気に解約へと進むことです。このふたつのデメリットをエリカ健康道場様にご説明し、3、4月も解約方法はわかりやすく掲示したままとなりました。不安やフラストレーションのない状態で解約ページにたどりついたお客様に対し、『Smash』で真摯な接客を行ったことで解約抑止率の数値が回復したと考えています」(Smash・鍋島さん)

株式会社エリカ健康道場 PRチームチーフ 永岡みづほさん

サイトリニューアルでも「解約」を目立つ場所に設置

 エリカ健康道場では、2021年9月30日にECサイトをリニューアル。従来はスクラッチで構築していたが運営において不都合が多くなってきたため、ECシステムの変更を決め、ユーザビリティ向上のため全面的にリニューアルすることとなった。

 それに伴い、ユーザーとのコミュニケーションの仕方を変更。キャンペーン情報など、常に最新情報を掲載することでユーザーの疑問解消に貢献、閲覧数が増加したほか、同社のキャラクターで「Smash」にもアイコンとして登場している「なちゅまる君」の情報も細かく設定して娯楽性を高めた。

 「リニューアル後の流入を見ると、マイページをブックマークされているお客様が多いことがわかっています。マイページへの『Smash』導入により、お客様に見ていただきたい情報をより見せやすくなりました。たとえばあるセール商品を『Smash』でご提案することで、販売に1ヵ月ほどかかると予想していたものが、2、3日でソールドアウトになったこともあります」(エリカ健康道場・森永さん)

 「リニューアル後、定期購入への加入のほか、時間別に『Smash』でご案内する内容を変える施策も行っています。たとえば15時には『またお腹空いてきちゃった…おやつの時間ですね。優光泉のアレンジレシピはご存知ですか?』といった切り口で商品を訴求するといった具合です」(エリカ健康道場・永岡さん)

 システムの制約上、従来のような解約ページの設置が叶わなくなり、顧客はマイページの「定期購入情報ページ」で自らのステイタスを確認する仕組みとなった。その「定期購入情報ページ」にリテンションボットのを設置し、最初の選択肢に「定期購入解約」の選択肢を設定している。これは解約時に不安やフラストレーションを与えないためである。なお、従来解約ページに設置されていた「Smash」は、マイページへと移動することになった。

 「『定期購入解約』がわかりやすい位置にあることに対し、不安を覚える事業者様のお気持ちは理解できます。しかしながら、エリカ健康道場様の場合、10月のサイトリニューアル後も解約抑止率は43.17%と良い過去最高の数値が出ました。『解約』の選択肢がわかりやすい場所にあるからといって、解約されるやすくなるわけではないことがわかります」(Smash・鍋島さん)

株式会社エリカ健康道場 PRチームリーダー 森永伶さん

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顧客への真摯な姿勢あってこそツールの本領発揮へ

 エリカ健康道場の「Smash」導入から1年以上が経過した。2020年11月に解約の意思を持って「Smash」でコミュニケーションを行った顧客のうち、9ヵ月後の2021年7月時点で定期購入の利用を継続した割合は63.86%となっている。

 「一時は解約を決めたお客様のうち、6割が解約をとどまっただけでなくその後9ヵ月も継続してくださったことは、驚異的な数値だと受け止めています。ひとえに、解約理由を『Smash』を用いたコミュニケーションで明確にし、解決策をさまざまなチャネルでご提示することで、お客様にご納得いただけたからでしょう。解約理由が『飲みきれず余っている』のであればレシピなど他の摂取方法を、次に高い割合を占める『値段が高い』に対しては、なぜこの価格なのか背景をご説明しました」(Smash・鍋島さん)

 それでも解約を選択する顧客に対し、再度エリカ健康道場のサービスを利用する意向があるかを尋ねたところ、63.40%が「また利用したい」と回答した。Smashのデータによれば、他社では20.00%程度にとどまる。そこでエリカ健康道場では、新商品の贈呈とセットで定期購入への再加入を提案するなどの施策を行っている。解約前に利用していた商品とは別の商品で、定期購入を再度始めるユーザーは6ヵ月定期購入の利用を継続するというデータがあるからだ。

 「定期購入を解約した人のうち、40.00%が戻ってきてくれたらと考えています」(Smash・鍋島さん)

 エリカ健康道場では今後も解約率改善はもちろん、一度解約した顧客の再加入等にも積極的に取り組んでいく考えだ。

 「従来は、メルマガやお手紙で解約抑止のためのコミュニケーションを行ってきましたが、一方的になりがち、電話はつながりづらいのが課題でした。『Smash』では、お客様と実際に会話をしているようなアプローチができるところが良いと思っています。コミュニケーション手段が増えたことで、スキップやポイント等のお得な情報をお伝えする機会も増え、解約抑止につながっていると思います。今後も、『Smash』でお伝えする情報の内容を充実させ、お客様に寄り添ったコミュニケーションを行っていきたいですね」(エリカ健康道場・永岡さん)

 「私も『Smash』を用いることで、オンラインでもお客様に寄り添うことができているように感じられ、うれしく思っています。想像ですが、お客様もちょっとしたことを気軽に相談できたりして、便利に感じていただけているのではないでしょうか。Smash様は、私たちと同じ気持ちでお客様に接してくださると感じています。今後も迅速なご対応と、データに基づいた改善策のご提案いただければと思っています」(エリカ健康道場・森永さん)

 行政が特定商取引法の改正に乗り出すなど、定期通販ビジネスへの規制が強化されているが、それほど悪質な手法が増えてしまっているのが現状である。

 一方のエリカ健康道場では、「お客様に寄り添う」方針は変わらない。目先の利益に囚われることなく真摯に顧客に向き合ってきた姿勢こそが、『Smash』のような便利なツールの本来の力を発揮させるのだろう。エリカ健康道場とSmashによる真摯な接客が、定期通販の常識をどう変えていくのか、今後も目が離せない。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://eczine.jp/article/detail/10869 2022/03/02 11:00

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