EC・実店舗双方の発展に取り組む中で求めた検索パフォーマンス
堀田氏の牽引で徐々に売上を伸ばしてきた「PAL CLOSET」だが、ブランド展開や同サイトを利用する顧客が増えたことで、検索パフォーマンスに関する課題が生じてきたと言う。50以上のブランドをまとめて扱う同サイトでは、ブランド別の自社ECに比べて必然的に商品点数が多くなるため、サイト内の検索精度・速度がとくに重要となる。こうした背景の中、顧客の求める検索結果が表示されないことで購買につながらないケースが増加していた。
堀田(パル) ブランドとお客様の“つながり”が強いという特徴から「PAL CLOSET」では、好きなブランドの商品を同サイトの隅々までチェックしてくださるお客様が多くいらっしゃいます。そのため、サイト内検索に関する改善要望などをいただくことが少なかったのですが、EC市場の拡大や当社のブランド数が増えたことにより同サイトをご利用いただくお客様が増加。購買後のアンケートで「適切な検索結果が表示されない」という回答が目立つようになりました。
鈴木(パル) サイト内検索の精度が低いと顧客満足度を低下させるほか、実際に取り扱いのある商品を表示できないことによる機会損失にもつながります。また、この場合お客様は「検索パフォーマンスが悪い」ではなく、「このサイトには求めているものがなかった」という印象を抱きます。これが継続的に続くようであれば、自然と「PAL CLOSET」から離れていってしまうのではないかと考えました。
こうした課題を解決するために、同社は2021年7月にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入。従来はECパッケージに付随する検索エンジンを利用していたが、現状の検索パフォーマンスに限界を感じていたと言う。
堀田(パル) ECパッケージを提供する企業は、当然ながら検索エンジン専業ではありません。そのため、検索パフォーマンスの改善を行うにもある一定の限界が存在します。当社で把握できた不具合に関してはそのつど改善を行ってくれていたのですが、それ以上のサービスを求めることは難しく、不具合についても当社で把握できる範囲には限りがあるため、検索エンジンを専門とする企業に依頼するべきだと考えました。
検索エンジンの導入を検討するにあたり、とくに重視したことは大きくふたつあります。ひとつは当社が求めるレベルの検索ノウハウを持っていること。もうひとつは、時代の変化に合わせて進化していく成長性を持っていることです。この2点を兼ね備えた検索エンジンが「ZETA SEARCH」でした。実際に導入したのは2021年7月ですが、実は数年前から検討を進めており、その間にZETA様にいただいたお話を踏まえて「ZETA SEARCH」が当社の要望を満たす検索エンジンだと判断しました。
「ZETA SEARCH」が持つ検索パフォーマンスの高さや、その成長性に魅力を感じていたパル。同ツール導入前に行われたZETAとのミーティングで堀田氏は、アパレル企業への導入実績やそれにともなう同業界への知見の深さを確認。安心感を覚えたとしつつ、ただサイト内検索を改善するだけではなく、その先の展開が見えたことで導入への決意を確たるものとした。
堀田(パル) 当社に合わせたさまざまなご提案をいただく中で、「ZETA SEARCH」導入後の「PAL CLOSET」で実現できることは何か、将来的なビジョンを明確に描くことができたのも導入の決め手となりました。当社はIT企業ではないため、テクノロジーを介して最適な顧客体験を提供するためには、専門性の高さと提案力を併せ持つツールベンダーと協力し、パートナーシップを構築することが必須だと考えています。
市川(ZETA) パル様から最初にいただいたのは、「進化する検索」にしたいというご要望です。このキーワードから、パル様にとって最適な検索エンジンの姿を紐解いていきました。「進化する」とは言い換えれば「限界がない」ことです。現状抱えている課題の解決をした上で、その先の将来構想に広がりをもたらす検索エンジンこそ、パル様が求めるものだと考え、「ZETA SEARCH」で実現できることを模索し複数のご提案を行いました。
具体的には、検索精度・速度の改善を行いつつ、「ZETA SEARCH」を活用した外部検索のSEO対策や、検索クエリより抽出したデータから顧客インサイトを読み解くことで、マーケティングに活用するなどのお話をいたしました。「ZETA SEARCH」では検索結果の分析・チューニングを行うことで常に機能面のブラッシュアップがされていますが、検索パフォーマンスを改善していくだけでは「限界がない」とは言い切れません。検索エンジンの枠を越え、新たな視点や価値の提供を続けて初めて「進化する検索」と言えるのではないかと考えています。