ITPとは、「Intelligent Tracking Prevention」の略称で、Appleがプライバシー保護を目的に、2017年よりウェブブラウザ「Safari」に搭載した、Cookie規制とトラッキングを防止する機能のことを指す。スマートフォンデバイス(iPhone)のみならず、iPad、Macなど、Apple製品で主に使われるブラウザ「Safari」を利用するユーザーは、ITPによるプライバシーの保護がなされている。
ITP対応の背景には、サードパーティCookieの規制が存在する。2017年9月に実施された「ITP1.0」では、サードパーティCookieの有効期間(最後のインタラクションから24時間)と、削除期間(30日)を定め、その後、四つ以上のドメインからリダイレクトされているファーストパーティCookieを制限するITP2.0、JavaScriptにより生成されたファーストパーティCookieの削除期間を定めたITP2.1・ITP2.2、特定の条件下におけるストレージデータの削除期間を定めたITP2.3とアップデートを重ねてきた。そして、2020年にはサードパーティCookieそのものの制限に至っている。
ITPによるCookieやストレージデータの制限は、効果計測やユーザーに対する正確な広告配信などが困難となるため、ECサイトを運営する企業にとっても影響が大きい。適切な顧客像の把握ができず、広告の費用対効果の低減が懸念されるため、EC運営や広告に携わる人々は、ファーストパーティデータ活用やCookieに頼らないパーソナライズの方法を模索することが求められる。なお、既にGoogleがサードパーティCookieの代替案としてプライバシーサンドボックスを提案するなどの動きが見られている。
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