Google アナリティクスは、ウェブサイト・アプリのトラフィックやユーザー行動を分析するためのツールである。ウェブサイト・アプリなど、計測したいサービス内に特定のタグを埋め込むことで活用できる。サービスへの流入数や訪問したユーザーの属性、関心のあるトピックなどを定量的に分析し、改善点の発見やマーケティング効果の評価などに役立てられるツールとなっている。
Google アナリティクスの歴史は、2005年にGoogleがUrchinを買収したところから始まる(第1世代)。2005年11月には同社が提供していたツールをリブランディング・機能改修したバージョンがリリースされ、2006年8月より登録すれば誰でも利用できるツール(urchin.js)となった。
その後、2007年にga.jsへアップデート。イベントトラッキングやeコマース機能が実装され、EC事業者にとっても有効活用できるツールとなった。2009年にはdc.jsなどと統合した非同期タグを用いたバージョンへと進化を遂げている(第2世代)。カスタムレポートの機能強化、リアルタイム解析、ゴールフローの追加などが進められたのもこの頃である。
2014年には、第3世代と呼ばれるユニバーサル・アナリティクス(UA)がリリースされた。analytics.js、gtag.jsが用いられるUAでは、クロスドメイン・クロスプラットフォームでの計測やユーザーエクスプローラ、ユーザー属性の取得、カスタムディメンションなどといった機能が追加されたほか、gtag.jsではITP(Intelligent Tracking Prevention)やGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)を契機に強化が必要となった個人情報取扱への対応や、容易な広告連携を実現している。
そして、2020年には現状の最新版となるGoogle アナリティクス 4(GA4)がリリースされた。GA4では、ユーザーが複数デバイスを用いて閲覧・購買行動を行う近年の傾向に合わせ、ページ単位からイベント単位での計測へと大きく方針転換がなされている。第1~第3世代まで軸としてきた「ページとセッション」単位での解析・分析から「ユーザーとイベント」へと変更した経緯には、プライバシー保護の観点やCookieの取り扱いも関係しているといわれている。
GA4は、正式リリース前に「アプリ+ウェブ プロパティ」としてベータ版が提供されていたように、ウェブサイトとアプリのデータを同様のプロパティで管理できる点や、機械学習による予測機能(予測指標、予測オーディエンス)によって、購入につながりやすいユーザー属性の把握、ユーザー行動の予測分析など、精度の高い分析が実現できる点も特徴である。従来は有料版である「Google Analytics 360」でなければ利用できなかったBigQuery連携も無料でできるため、オフラインとオンライン(実店舗とECサイト)の統合分析も可能となり、eコマース(EC)に取り組む事業者もLTV向上施策やOMOの強化などにも役立てられる。
なお、旧バージョンのUAは2023年7月にデータ処理を終了。2024年7月1日にデータの削除が行われた。
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