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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

OMS(受注管理システム)

読み:オーエムエス(ジュチュウカンリシステム)
正式名称:Order Management System

記事更新  

 OMS(Order Management System)は、日本語で「受注管理システム」または「注文管理システム」と訳され、商品の受注から配送までのプロセスを一元的に管理するシステムを指す。複数の販売チャネルからの注文や、それにともなう出荷業務などを一つのシステム上で統合・完結できるため、EC事業における業務効率化を推進する上で重要な役割を担う仕組みだといえる。

 OMSの導入が近年注目を集めている背景には、2020年頃から急加速したeコマース市場の発展が挙げられる。また、これにともなうオンラインを基軸とした顧客接点の増加やOMO(Online Merges Offline)推進の動きもOMSの必要性を高める要因となっている。

 従来型の販売管理システム(販管システム)は、実店舗での利用に主軸を置いた設計であることがほとんどであり、次のようなEC特有の多様な要件への対応には困難な部分も多かった。

  • 自社EC・モールなど複数チャネルからのリアルタイム注文管理
  • キャッシュレス決済や後払いなど、多様化する決済方法への対応
  • 細やかな顧客情報管理と活用、パーソナライズされたマーケティング施策
  • 複雑な配送・出荷管理、物流倉庫との連携
  • 複数チャネル間のリアルタイムな在庫連携と正確な在庫管理
  • 返品・交換・キャンセルなどECならではの処理
  • セール・キャンペーンなど販促施策への柔軟な対応
  • ECカートや外部ツールとのデータ連携(API連携)

 従来型の販売管理システムのみでは、EC運営に必要な要素を後づけしたことで情報の扱いが煩雑化し、ECカートやプラットフォーム連携時に過度な作業負担が生じることから、結果として販売管理システムが業務のボトルネックになるケースが多く存在していた。しかし、OMSを導入・活用すれば単なる受注管理にとどまらず、ECサイト運営に必要とされる多種多様な情報を統合的に管理できるため、次のような業務におけるあらゆる負担を軽減できると考えられている。

  • 注文情報に紐づく顧客・商品情報の一元管理
  • リアルタイムな在庫管理
  • 効率的な配送手続き
  • チャネルごとの売上比較や分析
  • 請求書・領収書の発行

 これらは従来、手動でのデータ転記や目視による確認作業に依存しており、ミスや業務の属人化が懸念される領域であった。OMSの活用により、これらの作業が自動化・効率化され、EC運用の生産性向上にも大きく寄与すると考えられる。

 また、OMSは現場の業務負担改善に加え、EC運営効率化に不可欠なデータの一元管理にも大きく貢献する。実店舗、自社EC、モールと従来は分散していた顧客データをOMSによって統合することで、顧客の購買傾向や嗜好をより鮮明に把握でき、オンライン・オフラインの垣根を越えたシームレスな顧客体験の提供も可能となる。

 ただし、OMSの導入には、既存の運用環境を見直すための初期コストや、システム連携にあたっての手間が発生する可能性がある。そのため、導入を検討する際は現状の業務課題を明らかにしつつ、導入後の効率化による生産性向上度合いを慎重に比較検討し、費用対効果を見極めることが重要となる。

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