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季刊ECzine vol.11定点観測

オムニ実現で差がつく2020年 EC責任者はチャンスを活かせ

 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。オムニチャネルコンサルタントの逸見さんに、オムニチャネルについて聞きました。※本記事は、2019年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.11』に掲載したものです。

2020年は真のオムニ化へ 手段のテストは終了

 2019年9月、専門性のある小売店に関連する業界のデジタルシフトを加速させるため、ecbeing 代表取締役 林雅也氏、Sprocket 代表取締役 深田浩嗣氏を発起人とし、「オムニチャネル協会」準備会が設立された。逸見さんは、賛同人かつアドバイザーとして参画している。

 「これまでも言ってきたとおり、ECやアプリなどのチャネルをそろえるだけでなく、顧客情報や商品・在庫情報が一元化されているという意味でのオムニチャネルです。そのためには、実店舗、IT、マーケティングなどあらゆる部署がかかわってきます。テクノロジー視点だけではなく、いかに組織に横串を通すかまで考えていきます。目指すのは、お客様と企業が継続的につながり、利益を上げていくことです」

 事業会社内で、その後はコンサルタントとして、さまざまな企業のオムニチャネル推進にかかわってきた逸見さん。それにより、オムニチャネル化のプロセスは企業ごと異なることに気づいたと言う。

 「トップダウンであったり、ECやデジタルマーケティングの責任者が上申して進めていたりと、プロセスはさまざま、10の決まったステップがあって、それを順番に進めていけばオムニチャネルが完成するのであればいいのですが、そうは行かない。他社の事例は参考にはなるけれど、そのまま当てはまるわけではないんです。OMOやDXといった言葉は出てきていますが、あくまで手段。オムニチャネル推進者はこういったことを踏まえて、組織をつなげて自分が動きやすくするため、デジタル化で“見える化”したデータを社内数字と紐づけて説明し、社内政治を進めていくべきでしょう」

 2019年、日本の小売業者は中国のニューリテールについて学ぶ機会が多かったはず。その間逸見さんは相談を受け、いくつかの会社の「オムニチャネルの絵」を描いたという。

「中国のニューリテールからは、テクノロジーを学ぶだけでなく、彼らが実現しようとしている本質をとらえ、自社で使えるヒントを得なくては。自社の価値を見つめ直し、『オムニチャネルの絵』を描くこと。2020年からはその絵をもとに、1~2年かけて仕組みを作り、確実にオムニチャネル、OMOを実現していく企業が出てくるでしょう。2020年もこれまでと同じように仕組みで悩んでいるだけなら、この先ずっと、オムニチャネルの実現は難しいかもしれませんね」

 特集のテーマが「2020年を占う」だと伝えると、「やさしい言葉をかける占いほどこわいものはない」と逸見さんは言う。今トレンドの、実店舗にカメラを導入して行う分析についても「作業効率化」の用途で用いるのであれば、導入には懐疑的だ。

 「それによって顧客にどのようなメリットがあり、会社はどれくらい儲かるのか。手段の話はそろそろ終わりです。テクノロジーのテスト導入は、全店舗に展開するためのテストだったはず。試して終わりでは、意味がありません」

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