ダブルイレブン開催 前年比26%増の4兆円突破
アリババが始め、いまや中国でその年いちばん大きなショッピングセールとなった「ダブルイレブン」。アリババは10月21日から「天猫ダブルイレブン」ショッピングフェスティバルを開始。プロモーションやキャンペーンを通じて、消費者に合計約500億人民元(約7,500億円)の割引を提供すると発表していた。その結果、流通総額は過去最高となる2,684億元(約4兆1,602億円)となり、前年の約3.5兆円から26%増の成長である。アリババグループの物流プラットフォームCainiao経由の配送オーダーは、13億件にも上ったと言う。
「たしかに大きな流通総額ですが、11月11日だけの売上ではなくセール期間が長くなっていること、約7,500億円の割引を行っていることなどを考慮する必要があります。ダブルイレブンにアパレル企業として出店した経験がありますが、その後の返品も相当なものです。セール期間はお祭りなので、気分が盛り上がってお財布の紐が緩みます。配送する商品の数も相当なものですから、アリババから指導はあるものの、お客様の手元に荷物が届くのが3週間後になってしまうものも。すると、受け取ったお客様は冷静になっているんでしょう、『やっぱりいらなかった』という返品が相次ぎます。ダブルイレブン終了後の悩みですね」
中国の消費者への越境ECモール「Tmall Global」の国・地域別の流通総額ランキングでは、2位のアメリカ、3位の韓国をおさえて日本が1位となった。2016年から4年連続でキープしている。過去の定点観測では、韓国やヨーロッパブランドがTmall Globalのトップページを独占しているとの話も出ていたが。
「アメリカとの経済摩擦や、韓国自体の経済状況が良くないことが原因でしょう。深センのドラッグストアなどを訪れてみても、日本が強かった、直接肌に触れる基礎化粧品なども中国ブランドのものが増え、クオリティが上がってきています。中国の消費者も、中国の商品を信頼し、購入する機会が増えているとの声も現地で聞きました。今売れている日本商品は、商品自体が認知されているもの。日本製品がすべて信頼され、購入されるというわけではありません。今回日本が1位をキープできたのは、かろうじてというところでしょう」