アリババグループは、天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下「天猫ダブルイレブン」、俗称「独身の日セール」)を10月20日より開始している。
今年は、より多くのブランド・商品・割引特典にスポットライトを当てるために「2回」の販売機会の創出、参加消費者層とプロモーションの拡大、人気なライブコマースによるインタラクティブな体験の提供によって、急速に変化する消費者動向にマーチャント(出店企業)が対応。そして、アリペイ(Alipay)は単なる決済手段としてではなく、中国国内のサービス業に携わる中小企業が集うひとつのデジタル・ライフスタイル・プラットフォームとして、今年のダブルイレブンを一緒に盛り上げていくという。
ユーザー・エンゲージメントを強化し「ダブル」のチャンスを
今年はコンセプトを「シングル」から「ダブル」へと拡大し、マーチャント(出展企業)にとって、ふたつの期間に渡り商品を販売できるように。例年の11月11日のメインイベントに先立ち、11月1日から3日までの間、新たな販売期間を設ける。新型コロナウィルス感染症の影響を受けている新規出店ブランドや中小企業を中心に、商品やブランドストーリーをアピールする機会を提供することを目的としている。
天猫ダブルイレブンは、多くのブランドにとって、1年でもっとも重要な新製品発表の機会のひとつ。今年は、昨年の2倍となる200万点以上の新製品が発表される予定となっている。
デジタル・ライフスタイル・プラットフォームとして参加するアリペイ(Alipay)も、今年の天猫ダブルイレブンの買い物体験を強化。同プラットフォームでは現時点で、中国国内100以上の都市にある数百万店のサービス業を営んでいるAlipay導入済店舗がプロモーションを実施する。それぞれの町のローカル屋台やコンビニなどの小規模なオフライン店舗(実店舗)は、アリペイを通じて消費者とつながることで、天猫ダブルイレブンのチャンスを活かせるようになる。
参加ブランドにとって最大の成長チャンス
今年の天猫ダブルイレブンでは、天猫(Tモール)に出品中の25万以上のブランドから、1400万点のお買い得商品が提供される。また、新興地域の中国消費者のニーズに応えるため、低価格商品に特化したタオバオ特価版の「1元キャンペーン」では、大幅に割引された商品を送料無料で購入できるようになる。
中国の消費者の海外製品に対する需要の増加に対応するため、89の国と地域から2,600以上の新ブランドの新商品を提供。また、越境ECプラットフォームはこれまでの天猫国際(Tモール・グローバル)に加え、初めてコアラ(Kaola、考拉海購)が参加するという。
ライブコマースと物流が中核に
今年の天猫ダブルイレブンでは、ライブコマースが中心となることが予想される。トップクラスのライブ配信者が主催するセッションに加え、約400人の企業経営者や300人の著名人・芸能人がライブ配信に参加する予定となっている。
タオバオライブでは、化粧品や電化製品から車や住宅まで幅広い商品カテゴリーが紹介・実演・販売されている。物件のオンライン内覧や車両のバーチャル試乗などの新機能により、よりリアルで魅力的な体験を提供し、消費者の購買意思決定を支援する。また、DAMOアカデミー(ダモ・アカデミー)は人工知能技術(AI)を使用してライブコマースのバーチャルホストを開発。アリババ傘下の旅行サービスプラットフォームフリギー(Fliggy)は旅行関連のライブ配信を主催する。
今回の天猫ダブルイレブンは、2009年に開始してから最大規模となるグローバル展開を行う。
東南アジアのECプラットフォームであるLazada(ラザダ)は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6つのマーケットで展開しており、東南アジア地域内外から1万8000以上の国際や本土ブランドが集まるオンラインモールLazMall(ラズモール)含め、今年の天猫ダブルイレブンに参加。Lazadaは、ライブコマースや新たなゲームコンテンツ、音声による商品検索などの技術まで、エンターテイメントを融合したショッピング(Shoppertainment)の機能を充実させ提供する。
物流プラットフォームの菜鳥(ツァイニャオ)は天猫ダブルイレブン期間中、約700便のチャーター便を運航。越境商品の半数以上は、通常の2倍のスピードで配送される予定だという。
概要
- 開催期間:2020年10月20日〜2020年11月11日
- 予約販売期間:10月20日〜10月31日、11月4日〜11月10日
- 販売期間:第1期11月1日〜11月3日、第2期11月11日
- 参加ブランド数:25万以上
- 新製品発表数(予定):200万以上
越境EC概要
- 参加国・地域数:89
- 新製品発表数(予定):2600以上