プロシードは、カスタマーサービスが組織およびブランドに与える影響と改善のためのヒントを調査するために、米COPC Incと協力し、グローバルのコンタクトセンター関係者および顧客に対してカスタマーサービスに関連する戦略や体験についてのアンケート調査を実施した。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
65%の顧客はカスタマーサービスの悪さからその組織との取引をやめたことがある
はじめに、どれほどの顧客が組織へ連絡しているのか実態を把握するために、全対象へ「過去3ヵ月以内に、カスタマーサービスやテクニカルサポートに関する質問を解決するために、どこかの組織に連絡したことがあるか?」と質問。その結果、72%が「はい」と回答した。おおよそ4分の3の人が連絡しており、大部分がカスタマーサービスを活用していることがわかった。
つぎに、それらの質問が解決されているかを把握するためにチャネル(連絡窓口)ごとに①課題が解決したか②解決までにかかった連絡の回数についてたずねた。
初回の連絡における解決率はどのチャネルでも50%以下であり、もっとも高いのがウェブチャット48%だった。
約半数は初回で解決されない問い合わせが組織・ブランドへ与える影響を把握するため、全対象へ「カスタマーサービス/ケアが不十分だったために、組織があなたとのビジネスを失ったことはあるか?」と聞いた結果、過半数以上の65%が「はい」と回答し、カスタマーサービスが組織・ブランドに与える影響が大きいことが判明した。
3分の1の顧客は問題がありながらも組織へ連絡することを避けたことがある
顧客の行動をより理解するために全対象へ「過去12ヵ月以内に、カスタマーサービスが必要な問題に対して行動を起こすことを避けたことがあるか?」と聞いたところ33%が「はい」と回答し、一定数連絡をしない人が存在していることがうかがえた。
また「はい」と回答した人へその理由を聞いたこところ、割合としてもっとも多かったのが「不便なため」で、それに次いで多かったのが「過去の悪い経験から」だった。このことから、サービスやチャネルの設計が不便な組織はおおよそ3分の1の機会損失をしている可能性が考えられる。
顧客の60%は組織に強制されて複数のチャネルに跨って解決を進めているが組織はそれを認識できていない
電話であれば一度の電話で、ウェブサイトであれば一度の訪問やひとつの記事やページで解決できるのが便利で良い体験であり、逆に複数のチャネルにまたがった体験は不便で悪い体験となる。
どれだけの顧客がこのような不便な体験をしているか把握するために「カスタマーサービスが必要な問題を解決するために、複数のチャネル(電話、Eメール、ソーシャルメディアなど)を使用する必要があったか?」と聞いたところ、63%が「はい」と回答。
この体験をした理由が組織に強制をされたためか、あるいは自主的におこなったものなのかを把握するために上記の質問に対して「はい」と回答した顧客に「複数のチャネルにまたがって、プロセスを進めた理由は何か?」とたずねた。同時に組織側がどれほど現状を理解できているかも把握するため、組織側には「顧客が複数のチャネルにまたがって、プロセスを進める理由はなんだと思うか?」と質問した。
すると、組織では58%が自主的だと認識しているのに対して、顧客は(実際は)38%のみが自主的だったと回答。詳細な理由では、組織の回答がもっとも高かったのは「解決を早めるため」で40%だったが、顧客のこれに対する回答は13%のみで約3倍の差となった。逆に顧客の回答でもっとも高かったのは「カスタマーサービスプロセスからそのようにせざるを得ないから」で34%がそう回答していた。これらのことから組織側と顧客側に大きな認識のギャップがある可能性がうかがえる。
調査概要
- 調査期間:2023年1月16日~5月31日
- 調査対象および対象数:全世界 約1,000名のコンタクトセンター関係者および18歳~60歳以上の男女5,600名
- 調査方法:インターネット