デジタルガレージは、新常態下での飲食店や小売店の運営支援に向け、フードデリバリーなど複数のオンライン注文サービスを1台のタブレット端末のみで一元管理するSaaS「Pangaea Delivery(パンゲアデリバリー)」を開発した。すでに大手飲食・小売チェーンがサービスベータ版を利用することが決定しており、今後さまざまな事業者に対してサービスを提供していく。
新型コロナウイルスの影響により、飲食店・小売店ではフードデリバリーやテイクアウトサービスなどのオンライン注文サービスの導入が進んでいる。しかし、複数のサービスを導入することにより、サービスごとに異なるオペレーションへの対応や受注用機材の準備など、飲食店や小売店の負荷が増大している。また、フードデリバリーを始めとするオンライン注文サービスは、実店舗との在庫の連携が困難であることや、自社サイトや自社アプリを経由した注文との連携ができないといったオンライン注文における固有の課題も明らかになっている。
同社は、このような課題を解決するソリューションとして、「Pangaea Delivery」を開発した。
「Pangaea Delivery」は、同社グループの基幹事業である決済事業のノウハウやアセットを集結したプラットフォーム。決済事業を手がけるDGフィナンシャルテクノロジーが持つ決済システムの開発・運用ノウハウや、オープンイノベーション型研究開発組織「DG Lab」が有するAI・データ分析に関する技術力など、同社グループが持つさまざまなアセットを組み合わせることで、オンライン注文と実店舗をつなぐゲートウェイとして展開し、飲食店・小売店の統合的なDXを支援する。
さらに、同社はDGベンチャーズが出資するChowly Inc.との提携により、フードテック・レストランテック分野で先行する米国でのノウハウなどを同ソリューションに活用していく。
飲食店・小売店は、同ソリューションを利用することにより、受注端末の設置スペースの確保や端末ごとに異なる操作方法を習得する必要がなく、運用コストの削減が期待できる。また、すでにオンライン注文サービスを利用している店舗は、オペレーション負荷を増やすことなく新しいサービスを利用する選択肢を広げることが可能となる。
同ソリューションは、業務提携先の東芝テックが展開するPOSとも連携。これにより、オンライン注文サービスからのデータを自動的にPOSへ連携し、店内注文とオンライン注文の管理をPOS端末で一元化することが可能となる。また、業務提携先であるジェーシービーの豊富な加盟店ネットワークを活用することで、加盟店の利便性向上に資する新たな付加価値サービスとして同ソリューションを通した飲食店・小売店の運営支援を検討していくとのこと。