「どのくらいの単位で仕入れているのでしょうか」のQ&A
どのくらいの単位で仕入れているのでしょうか
Name:みやっちーの Date:2010年04月13日 11:15
コーヒーカップを取り扱うネットショップをこれからはじめようと色々計画を練っております。問題は仕入れで、在庫数をどのくらいもったらよいのか思案しています。方針は、種類を多くして在庫数を少なくと考えていますが、そうすると入荷数が少なく卸してもらえなくなってしまう場合が出てきます。
個人商店のような小さなお店で、1ロットどのくらい仕入れれば適正なのでしょうか。
ご教授お願いいたします。
著者の田中です。[みやっちーの] さん、読んでいただきありがとうございます。仕入れを適正にということは難しい問題です。まずは適正の考え方ですが、商品によって若干異なると思います。[みやっちーの] さんの場合はコーヒーカップということですので、賞味期限がある商品ではありませんが、流行のものを扱う場合には、流行が終わる時期を賞味期限と考えて仕入れなければ売れ残ってしまうことにつながります。
同じコーヒーカップでも、「この商品は売れそうだ」を思うものと、「あまり売れないかもしれない」と思うものとがあると思います。ですので、単なる個数で仕入れが適正かどうかを判断することはできません。例えば、「この商品は売れそうだ」を思ったコーヒーカップAを100個仕入れた結果、3ヵ月で80個売れて、その後3ヵ月で5個売れ、最終的には15個売れ残った場合と、「あまり売れないかもしれない」を思ったコーヒーカップBを10個仕入れた結果、3ヵ月で10個売れて再度仕入れ、その後3ヵ月でまた10個売れ、最終的には完売した場合を考えてみましょう。コーヒーカップAは85個売れましたが、15個売れ残りました。コーヒーカップBは20個売れて売れ残りはありませんでした。
コーヒーカップAの仕入れは15個売れ残ってしまったと考えると、「少し多く仕入れすぎた」ということになるかもしれませんが、それでは、最初に半分の50個仕入れて、それから身長に10個単位で仕入れればよかったのでしょうか。たしかに売れ残りはもっと少なくなったかもしれません。しかし、一度売り切れたときに商品を買おうと思ったユーザーがいたら、それは販売機会のロスになります。在庫の残りが少なくなったときに、在庫数以上欲しいユーザーがいた場合にも同じことが言えるかもしれません。コーヒーカップBの場合には、売り切れになってから仕入れているので、販売機会ロスが出ている可能性が高いことになります。
つまり、コーヒーカップAは最初に100個仕入れたから85個売れた、コーヒーカップBは最初に10個以上し入れていたらもっと売れたと考えることができます。コーヒーカップAの場合、売れ残った15個を何らかの形で処理できれば、成功した仕入れと言えるのではないでしょうか。コーヒーカップBの場合は、仕入れが少なすぎたと言えるのではないでしょうか。コーヒーカップAで得た利益は「85個分の販売利益−15個分の仕入れ価格」となります。コーヒーカップBで得た利益は「20個分の販売利益」となりますので、結果的にはコーヒーカップAの方が利益を得た形となります。
これらを考えると、適正な仕入れは結果的に出てくるものであり、仕入れる前は戦略になるのだと思います。「ターゲットユーザーを考える」、「状況(流行に左右される商品かなど)を考える」、「商品の性質(まとめ買いする商品かなど)を考える」などなど、商品を見極めて販売予想を立て、仕入れ単位と仕入れ価格を考慮して実際の仕入れ個数を決めることになります。当初は、無理のない数字で考える方がよいでしょう。商売に慣れてきてユーザーの動向が見えてくれば、売れそうな商品への自信も出てくるものと思います。ですので、当初は失敗(売れ残り)しても良い程度の数字で考えた方がリスクが少なくてすみます。商品点数が多い場合や個数が多い場合には、特に仕入れでの費用負担は大変です。上記の場合ですと、コーヒーカップBの方が販売機会ロスがあっても、オープン当初は無難な仕入れ方法だと思います。
あと種類ですが、[みやっちーの] さんの考えているお店はコーヒーカップがメインとのことですので、種類はなるべく多い方が良いと思います。「さすが専門店」と思うくらいの方が、ユーザーの購買動機を刺激できると思います。売れ筋以外は、極端ななことを言えば1点づつでもよいかもしれません。「売り切れもしくは扱い点数がない」ことよりも「買える状態にある」ことに重点をおくという考えかたです。であれば、作家さんのものを委託で扱うとか、写真だけ業者さんにもらうか、一度撮影だけさせてもらうかで、仕入れずに受注発注の「お取り寄せ」として扱うことも視野に入れることもできます。もちろん、お取り寄せの場合、配送までの日数がかかる分、不利な要素がありますが、それを他の要素でどう補うかということになります。以上を戦略とした場合、仕入れの方向性も決まってくると思います。がんばってください。参考になれば幸いです。
仕入れに関しては、このフォーラムの
「入荷した品物が売れなかったら・・」http://nsf.shoeisha.com/thread/47/
も参考にしてください。
Name:田中 正志 Date:2010年04月14日 03:02
質問が曖昧にもかかわらず詳しいご解説ありがとうございます。
田中先生おっしゃるとおり、在庫少なくても
種類を豊富に持つという方針が、弊社にあってそうです。
大変参考になりました。
作家さん委託など視野を広く持って取組んで行きたいと思います。
ありがとうございました。
Name:みやっちーの Date:2010年04月14日 10:22