著者の田中です。販売戦略がない中で、単純にここがよいとオススメできませんが、仮に初めての出店ということで、ショッピングモールであれば、ヤフーショッピングがよいと思います。楽天市場の方が売れるのでは？と思われるかもしれません。確かに単純な売上高では楽天市場が最大です。しかし、考えてみてください。その大きな市場に参入するということは、上位店舗と比べられて勝てる要素がなければ、売れないということでもあるのです。それに店舗と数と商品数が多い分、検索やカテゴリーからユーザーを店舗に誘導するのは大変です。となれば、広告を使うしかないのですが、その広告費用も決して安くはありません。（広告費用も楽天場の方がヤフーショッピングよりも高いと思います）ヤフーショッピングの場合には、その競争が楽天市場ほど激しくないのと、集客という面でも、運営元のYahoo!JAPANの力を考えると、伸びしろは楽天市場よりもかなりあると思っています。また、管理画面も慣れていない方が使うには、ヤフーショッピングの方が直感的で使いやすいと感じます。プラス費用面も考えると、モールならヤフーショッピングをオススメします。カードやコンビニ決済、配送などの優待も受けられるのもメリットだと思います。

ただ、ハンドメイド商品で、他店舗や他商品と比べられない独自の一点物を扱うのであれば、モールでなく独自ドメインでもよいのかなとは思います。その場合は、一番簡単に管理画面が使えること、レイアウトの自由度があること、販売管理・お客様管理・決済管理・データ分析などが同じシステムでできること、を考えてサービス業者を選んだ方がよいでしょう。ほとんどの業者がお試し使用ができるようになっているので、一度使ってみて決めてください。

広告費用の目安ですが、かければかけたなりのものがあるとは思います。オススメは、やはりリスティング広告です。Yahoo!では「インタレストマッチ」、Googleなら「アドワーズ」になります。広告に設定するキーワードとその単価にもよりますが、費用負担を考えると、1日1000円、1ヵ月3万円くらいが当初の目安で考えるのがよいと思います。1日1000円で1クリックの単価が30円であれば、約33人のユーザーを誘導できます。1ヵ月で約1000人になります。広告からの購買率を2％確保できれば、20人の売上が確保できます。1人の売上に費やした広告費は1500円となります。これで広告費として元がとれるかというと、苦しい数字ではありますが、1人のお客様を新規で確保する費用として考えた場合、そのお客様をリピーターに展開できれば、価値ある広告となります。また、クリック単価をその2/3に押さえることができれば、購買率を倍の4％まで上げることができれば、1人の売上に費やした広告費は、500円まで下がります。そこは、広告内容と店舗構築次第ですので、努力していくしかありません。

ちなみに、ヤフーショッピング内でも、ショッピング検索に対して、リスティング広告を使うことができます（楽天市場でもあります）ので、モール内の検索で商品が埋もれてしまう場合には、有効的に使うことをオススメします。広告費用をかけたくない、というのが店舗の本音ではありますが、店舗の目的は販売で、そのための戦略的な広告であれば、使うべきだと考えます。待っていてもお客様が来ないのであれば、こちらから仕掛けていくことが必要だからです。

ネット販売の場合には、実店舗に比べるとはるかに費用がかからないで出店することできます。無料サービスを使ってほとんど費用をかけずにオープンすることも可能ですが、商品を販売して利益を得るというも的であれば、有料で意味あるものを使った方が便利で信用もあり売上に結びつきやすくなると思います。開店資金がほとんどないまま始めると、使うサービスも限られ広告もできません。結果、売上がなくやる気も出ず焦るだけなってしまうこともあります。出店費用＋広告費用を6ヵ月〜1年分くらい確保して始めたほうが、焦ることなく店舗構築や顧客サービスに力をいれることができるし、広告を効果的に使えば売上も確保できます。もちろん、当初は費用をかけずに徐々にという考えでもよいと思います。

何事も言うのは簡単で、やるのは難しいのですが、目標と戦略を考え出店することが望ましいと思います。がんばってください。参考になれば幸いです。

Name：田中 正志　　Date：2011年07月24日 07:43

著者の田中です。[のりのり] さん、読んでいただきありがとうございます。「大手ショッピングモールで立ち上げたらよいかどうか悩んでいる」ということですが、まずはモールの特長を考えてみましょう。メリットは、集客とシステムです。店舗の信用としてもメリットがあると思います。一方、デメリットは費用になります。

集客ですが、楽天市場には楽天会員、ヤフーショッピングにはヤフーユーザーがメインユーザーで、主にポイントユーザーです。一般的に何かを買い物をしようとするときには、ショッピングモールで検索するか、検索サイト（Yahoo!、Googleなど）で商品のキーワードを入れて検索します。通常、ポイントがあるので、楽天会員は楽天で、ヤフーユーザーはヤフーショッピングで探します。では、他のユーザーはどうでしょうか。検索サイト（Yahoo!、Googleなど）で検索するか、いきなりモールに行って検索する場合が考えられます。以上を考えると、集客という面では、モールには大きなメリットがあることがわかります。つまり、検索対象とされる確立が高いということです。

しかし、集客があっても、店舗数も多いので、競合店舗との競争に勝てなければ売上は確保できません。「楽天さんのアドバイスはあるので心強い」とありますが、それで売れるのであれば苦労しません。担当者は一般的なアドバイスしかしません。モールへの出店は、チャンスも多い反面、競争も激しい中で運営するということです。それに加え、出店料、売上ロイヤルティ、ポイント費用等がかかります。この費用は、ヤフーショッピングより楽天市場の方が少し高くなります。また、出店料につては、ヤフーショッピングは毎月の支払いですが、楽天市場は半年分を一括前払いにての支払いとなります。このように、費用がかかるのはデメリットとなります。

ここで考えなければならないのは、[のりのり] さんの目標がどこにあるかということです。売上を確保してビジネスとして潤うくらい利益を上げたいのであれば、費用がかかってもチャンスが多いモールに出店を考えてもよいと思います。小遣い程度の利益でよく、趣味として運営したいのであれば、費用がなるべくかからない出店方法を選んだ方がよいかもしれません。もし、モールに出店する場合には、その出店料を利益からもとを取るという考えではなく、出店料は全国に向けての宣伝費用だと考えることをオススメします。これなら毎月の負担を予め別途計算することができるので、気持ちに余裕を持った運営ができるようになります。「売れない、どうしよう。毎月赤字だ」という気持ちにはなりませんので、中期的な戦略が立てられます。一方、独自ドメインの場合には、集客が最大のポイントとなりますので、リスティング広告を利用するなどして、店舗を知ってもらう施策が必要となります。モールと違って、出店料や売上ロイヤルティがかかりませんので、その分を広告に使うという考え方もあります。もちろん、モールでも独自ドメインでも検索対応は必要です。

[のりのり] さんは、「パソコンもあまり得意ではありません」とありますが、モールでも独自ドメインでも、お客様の管理、受注管理、ページ編集など、人に頼まない限り自分でやらなくてはなりません。よく簡単に編集・管理できます、とありますが、どのシステムも使いこなすようになるには時間がかかるのものです。「習うより慣れろ」ですので、とにかく使ってみることです。それしかありません。

いずれにしても、1ヵ月単位ではなく、半年・1年単位で考え、どのような商品でどのくらい売りたいのか？初期費用と毎月の運営費用をどこまでかけられるのか？広告費用はどのくらいの費用がどのくらいの期間でかけられるのか？思うように売上がなかったときに運営を続けられるのか？（売れた場合には、費用面の問題はなくなりますので）などを考えて総合的に判断するしかありません。

商品、スタッフ、環境、市場動向、利益率などなど、全てを把握しないと安易に具体的な方向性は出せませんが、目標を明確に持って、そのためにどのような店舗展開が最も良いか判断することが大切だと思います。参考になれば幸いです。がんばってくださいね。

Name：田中 正志　　Date：2011年07月23日 03:28