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事業拡大のアクセルとなるLINE活用 オン・ジャパン、食べチョク、Dr.stretchが秘策を語る

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2020/11/30 11:00

 月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)という膨大なユーザー数を抱えるコミュニケーションアプリ「LINE」を軸に、「LINE公式アカウント」「LINE広告」など様々な法人向けサービスを提供しているLINE株式会社。同社は2020年10月15日、近年注力するSMB(Small and Medium Business)を支援する新サービスや、LINEのサービス活用で成果を上げている企業の実例を紹介するオンラインイベント「LINE SMB DAY」を開催した。当記事では、KeynoteとSession3「オン・ジャパン/食べチョク/Dr.stretchに学ぶ 購買、ユーザー獲得における様々なLINE活用法」の様子をレポートする。

新しい生活様式におけるSMBを支援するLINE

 中堅・中小企業のマーケティング担当者、パートナー企業や代理店などを対象に開催されるイベント「LINE SMB DAY」。新型コロナウイルス感染症の拡がりにより、世の中に様々な影響が及ぶ中、同社は日本企業の90%以上を占めるSMBを支援すべく、続々と新たなサービス・機能のリリースを行っている。

LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏

 KeynoteのPart1では、LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端由基氏が「LINEと切り拓く、新時代の顧客コミュニケーション」をテーマに、飲食店や小売店・メーカーなどSMBを支援する新たなソリューション、取り組みを発表した。

  • 飲食店向けソリューション「LINEで予約」(2020年11月16日提供開始)
  • 新しい生活様式での店舗探しを容易にする「LINEプレイス」(2021年3月以降提供開始予定)
  • 小売店・メーカーの店頭販促活動をデジタル化する「LINE POP Media」(2020年9月よりトライアル提供開始)
  • キャンペーンプラットフォーム「LINEで応募
  • LINE公式アカウント導入企業向けツールを安価で提供する「LINEマーケットプレイス
  • 認定講師「LINE Frontliner」によるイベント・セミナーや情報発信の強化

 続いてPart2では、同社 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏が「中堅・中小企業の顧客コミュニケーションを支える、LINEの新機能とサービス」をテーマに登壇。2020年9月時点でアクティブアカウント数24万を記録する「LINE公式アカウント」や8,600万人へのリーチを実現できる「LINE広告」の現況について伝えた。

LINE株式会社 広告事業本部 マーケットグロース事業部 川代宣雄氏

 2019年11月よりオンライン申込に対応したLINE広告は、広告アカウント開設数を順調に伸ばし、2020年6月時点で累計1万7,987件を記録している。川代氏は、ターゲティング機能の拡充や全アカウントのうち81%が活用する自動入札、動画広告のパフォーマンス向上といった運用トレンドについて解説した上で、サービスのアップデートについて言及した。

 LINE公式アカウントでは2020年7月、LINEユーザーの音声/動画通話を実現する機能「LINEコール」をリリースし、同年9月にはLINEコールの着信を、設定した任意の電話番号に転送できる機能も追加。この他にも、LINE公式アカウント経由でウェブサイトに遷移したユーザーの行動履歴を取得する「LINE Tag」、ユーザーアクション・セグメントに応じたメッセージを自動配信する「ステップ配信機能」(2021年以降、提供予定)など、データ活用を軸にした機能拡充を図っている。

 また、LINE公式アカウントのパフォーマンス向上を支援する「カスタマーサポート付きプラン」(サービス開始日時未定)、LINE広告では広告運用初心者の立ち上げフェーズを支援する「LINE広告 90日間スタートダッシュサポート」を設け、カスタマーサクセスにも注力。川代氏は「認知・獲得・来店促進・顧客コミュニケーションといった、企業がプロモーション活動を行うすべてのフェーズでLINE公式アカウント、LINE広告は活用できる」と述べた上で、「当社は2021年に向け、LINEのサービスを導入していただくだけでなく、成功を支援する体制も強化していく」と語り、Keynoteを締めくくった。

「オン・ジャパン」「食べチョク」「Dr.stretch」担当者から多彩なLINE活用法を伝授

 Session3では、「オン・ジャパン/食べチョク/Dr.stretchに学ぶ 購買、ユーザー獲得における様々なLINE活用法」と題し、実際にLINE活用を行う事業者の顧客獲得法について、パネルディスカッションが開催された。

(写真右より)オン・ジャパン株式会社 Digital事業部 角田侑実子氏
株式会社ビビッドガーデン マーケティング本部 松浦悠介氏
株式会社フュービック クリエイティブディビジョン PR&MC戦略室 影山大輔氏
LINE株式会社 広告事業本部 マーケットグロース事業部 チャネルアライアンス第1チーム マネージャー 杉森健太郎氏

 司会を務めるLINE株式会社 広告事業本部 マーケットグロース事業部 チャネルアライアンス第1チーム マネージャー 杉森健太郎氏は、セッション冒頭で「マーケティングで目指すゴールは同じであっても、LINEの活用法や顧客へのアプローチ方法は業種業態によって様々である」と語った上で、登壇者3名を紹介。

 続いて、株式会社フュービック クリエイティブディビジョン PR&MC戦略室 影山大輔氏から順に、企業紹介が行われた。影山氏が所属するフュービックは、1993年10月に設立され「若々しく健康に歳を取る習慣に革命を起こす」をミッションに、「健康」「IT」「スポーツ」の3本柱で事業を展開。同社が手がけるストレッチ専門店「Dr.stretch」は全世界で150店舗以上、累計来客数45万人以上を記録している(2020年7月時点)。同店は、体の不快を抱えている人々にパーソナルストレッチという選択肢を提供しながら、自社サービスの想起率を高めることをマーケティング戦略の主軸としている。

 次に企業紹介を行ったのは、株式会社ビビッドガーデン マーケティング本部 松浦悠介氏。同社は、農家・漁師の産直ネット通販「食べチョク」を運営する創業から4期めを迎えたベンチャー企業で、全国2,500件以上の生産者と消費者をプラットフォーム上でつなぐことで、ビジネスを成長させている。マーケティング戦略はファネルごとに効率性の高い媒体を活用する手法を取っており、潜在層向けアプローチにLINE広告を、リテンション・ロイヤリティ施策としてLINE公式アカウントを活用。LINE公式アカウントの友だち数は、10万超にも及んでいる。

 オン・ジャパン株式会社からは、Digital事業部 角田侑実子氏が登壇。同社は、2010年にスイスのチューリッヒで創業したスポーツブランドで、ランニングシューズを軸にハイキングブーツなど多彩なジャンルの商品を展開している。マーケティング戦略においては、「自社製品を『Performance Running』『Performance Outdoor』『Performance All Day』の3つのカテゴリーに分類し、商品の背景やストーリーを伝え、ファン形成・コミュニティ形成を意識的に行っている」と述べた。

エリアセグメントで質の高い認知向上を実現 効率的に成果向上へ

 続いて、「LINE活用の背景」という杉森氏の問いに対し、影山氏は「事業の急速拡大にともない、これまで行っていた実店舗起点のビラ配りやポスティングといったオフライン施策に限らず、質の高い認知向上施策を行う必要性があった」と説明。さらに、「ターゲットユーザーに効率良く情報を届ける方法を模索する中で、LINE広告に出会った」と続けた。LINEには同社がターゲットとする35歳~60歳前後のユーザー数も多く、自社の顧客データを活用した広告配信やクリック単価の安さも決め手になったと言う。

「導入前にクリック単価の安さを聞いてはいましたが、当社も他SNS広告と比べておよそ3分の1程度のクリック単価で運用することができています」(影山氏)

 フュービックでは、Dr.stretchの新規来店者獲得、オープン店舗の認知獲得、休眠顧客の再来店促進に加え、他サービスの新規ユーザー獲得にもLINE広告を活用。「現在は認知から来店まではデジタルで、来店以降のアプローチは実店舗で、といったように役割分担を明確している」と語る。

「オープン店舗の認知獲得においては、実店舗を中心に『半径3km以内』といった細かいエリアセグメントを行っていますが、限られたエリアの中でもアクティブユーザーが多い点がLINE広告の魅力と言えます。とくにコロナ禍では、店前の通行量が減少しビラ配りなどで直接訴求できないエリアも多く、LINE広告を活用したアプローチは今後より重要になると感じています」(影山氏)

 また、同社は自社の顧客データを活用しながら、休眠顧客の再来店促進や自社の他サービス紹介など、顧客の状況に応じた広告を継続的に配信。影山氏は「顧客との接点を保ち続ける施策に今後も注力したい」と語った。

 LINE公式アカウント、LINE広告の双方を活用するビビッドガーデンは、ターゲットである30~40代の女性に接触しやすく、かつユーザー層が広範囲にわたる点を評価している。LINE公式アカウントを運用する中で得られたCVRの高い顧客データを類似拡張して広告を配信することで、LINE広告の効果を高めていると言う。

 20代後半から30代中盤をターゲットとするオン・ジャパンでは、ターゲット層に効果的にアプローチできる国内のタッチポイントが欠如しているという課題を解消するために、LINE活用を開始。グローバル企業である同社は、日本独自のサービス導入に対する承認ハードルはあったものの、確実にコンバージョンにつながると考え、「LINEの概要を説明するところから本国を説得した」と角田氏。新規顧客獲得にLINE広告を、リピーター向けの購買・イベント参加促進にLINE公式アカウントを活用しているが、LINE広告におけるROASは2600%、CVRは他の広告のおよそ2倍と驚異的な数値を叩き出している(オン・ジャパン調べ)。

「導入してすぐにここまでの結果が出るとは思わず、私自身も驚きました。効果の大きさに本国のデジタル部門も驚いたほどです」(角田氏)

地道な積み重ねが鍵を握る LINE広告で刺さるクリエイティブとは

 続いて、各社からLINE公式アカウント・LINE広告の具体的な活用法について紹介された。フュービックは、LINE広告で配信した静止画・動画広告をもとに、新規顧客の集客を実施。自社サービスについて解説したLP経由で各店への電話予約やフォーム予約につなげている。運用開始月(2020年2月)と最新(2020年9月)の数値を比較すると、月間の新規獲得数は5.3倍に増加。また、1件あたりのCPAも32%改善し、効率的な集客を実現している(フュービック調べ)。具体的には、定期的にクリエイティブを差し替えたり、配信ボリュームを調整したりするなどの工夫を行っているが、とくに「機械学習による自動最適化が働くことで、運用担当者の負荷も軽減できている」と影山氏は説明した。

 ビビッドガーデンは、限られた予算の中で効果を最大化すべく、広告効果の検証に力を入れていると言う。クリエイティブについては訴求商材とフォーマットを、配信対象についてはユーザー属性と配信面について検証を実施。松浦氏は、クリエイティブの実例を紹介しながら運用を行う中で得ることができた気づきについて振り返った。

「最初は、シズル感のある写真に説明を補足する文言を入れた広告配信を行っていましたが、配信を続けるうちに文字が少ないと広告効果が高くなることがわかりました。配信面によって画像サイズも異なりますが、スマートフォン環境でクリックしてもらうには、視認性をより高める必要があります。それらを受けて、食材を全面に押し出したシンプルな訴求がいちばんだと考えています」(松浦氏)

 広告運用における勝ちパターンが見えてきたビビッドガーデンは、果物など季節ごとの商材発掘や新規顧客開拓にも取り組んでいる。「LINEデモグラフィックデータ配信」を用いて、東京都に住む人々に広告を配信してCTRを向上させている。

 また、LINE公式アカウントの活用においても、配信内容・クリエイティブ・リッチメニューの3軸で改善に着手。チャットボットを活用した食べ物に関するクイズなどお楽しみコンテンツを提供しながら、双方向のコミュニケーションにも取り組んでいる。LINE広告は立ち上げから3ヵ月で数百万円規模にまで広告予算を拡大しながらCPA改善に成功。LINE公式アカウントは、ウェブサイトやSNSからの送客のみで友だち数を半年間でおよそ10万人増やすなど、目覚ましい成果を残した。

 オン・ジャパンは、LINE公式アカウントを活用した「新製品のキャンペーンや告知ポスト」「タイムラインへの掲載/POP UP告知」に加え、LINE広告で「友だち追加広告(CPF)」の配信を行っている。LINE公式アカウントの配信メッセージは平均開封率80%以上、クリック率も10%前後を記録していると角田氏は説明(オン・ジャパン調べ)。また、タイムラインではスタッフによる商品紹介投稿をきっかけに商品購入した顧客がInstagramに自主的に投稿を行うなど、LINE公式アカウントを起点としたUGC(ユーザー生成コンテンツ)創出にも成功している。タイムラインの投稿ではエリアターゲティングを用いるため、「『LINEを見て来ました』という来店客が後を絶たない」と、反響の大きさについて語った。

 また、直近半年で2回配信した友だち追加広告(CPF)でも、クリエイティブの検証を行うなどして効果改善を実現。1回めは配信期間2日間で友だち獲得数1,499人、獲得単価234円という結果を残したが、2回めの配信では商品とコピーのブラッシュアップを経て、配信期間7日間で友だち獲得数5,857人、獲得単価133円と効率的に活用している(オン・ジャパン調べ)。

「施策ごとにクリエイティブの出し分けを行うだけで、これだけの成果を上げることができました。当社はグローバル企業という性質上、社内にあるデータ連携などがなかなか進んでいないのですが、これからも基本的な活用を大切にして、成果を出し続けたいと考えています」(角田氏)

新規顧客獲得から優良顧客化まで LINE活用で顧客と強いつながりを

 最後のトークテーマは、今後のLINE活用構想について。影山氏はLINEのコミュニケーションツールとしての特性を活かした上で、「今後はDr.stretchに限らず、フュービック全体で顧客ロイヤル化推進のためのデータ&デジタル活用を進めていきたい」と述べた。

 松浦氏も、LINE広告と顧客データの連携については前向きに検討しており、今後はLINE公式アカウントとLINE広告の施策連動強化やクリエイティブのさらなるブラッシュアップに取り組む予定だと言う。

「LINE公式アカウントを友だち追加いただいたユーザーのLINEアカウントと弊社の会員情報を連携し、商材の再入荷通知や注文に関する情報をLINEで届けたり、セグメント配信やステップ配信でパーソナライズ化を進めたりするなど、1to1のコミュニケーションをより強化していきたいと考えています」(松浦氏)

 角田氏も、「クリエイティブの出し分けや適切なターゲティング設定、スタッフのおすすめやランキングなどといった日本独自の楽しいコンテンツを発信することで成果につなげていきたい」と今後の展望を語った。

  杉森氏は3社のLINE活用事例を踏まえ、「LINEは新規顧客の獲得、店舗・サイトへの送客、優良顧客化など様々なフェーズで活用できる」と紹介。「ぜひ、本日イベントを視聴いただいた皆様にもLINEをご活用いただき、顧客との強いつながりを作っていただければと思います」と述べてセッションを締めくくった。

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