加盟店申込から導入後まで ポータル上で総合的にサポート
――まずは、お三方それぞれの役割をご説明ください。
高木 PayPayの営業部隊は大きくふたつに分かれているのですが、私はそのうちの片方、オンライン側を担当する部署の部長を務めています。
Amit 私はPayPayのプロダクト部で働いています。サービスローンチ前よりPayPayに携わっており、現在はオンラインプロダクトとPayPay for Developersのポータルを担当しています。
柤野 私は、実際に加盟店の方々や営業から挙げられた要望を基にサービスを改善し、開発を推進する業務を行っています。高木さんとAmitさんの間に入り、3者で連携しながらプロダクト作りを進めているイメージです。
――2020年7月29日にローンチされたPayPay for Developersについて、どのようなツールなのか教えてください。
柤野 PayPay for Developersは、PayPayのオンライン決済のデモやサンプルコードなどをインターネット上に公開している、主に開発者向けのツールです。開発者は、同ツールを用いてPayPayのオンライン決済を利用する際のUI・UXを確認したり、インテグレーションを進める流れやコードの書きかたを容易に入手したりといったことが可能になります。また、開発する上で生じたさまざまな問題に対するトラブルシューティングにも対応しているため、加盟店申込から実装、導入後まで総合的にサポートする場となっています。
――同ツールを制作した意図をお聞かせください。
Amit 導入のフローやカスタマージャーニーを可視化し、オンライン加盟店やECベンダーの負担・工数削減を行いたいと考え、制作を決めました。加盟店がPayPayを導入する際に必要なAPIやスペック、導入時のイメージなどを明示することで、なるべくシンプルに導入を行えるようにしています。
高木 これまでは、私たち営業部隊が加盟店からヒアリングを行い、Amitさんがいるプロダクトチームに接続し、コンサルテーションしてもらう……といった流れで導入手続きを進めてきましたが、今後はPayPay for Developersがこのフローを代替してくれます。ECサイトの規模にもよりますが、従来であれば営業交渉を始めてから平均3ヵ月~半年程度、規模の大きな案件だと導入まで1年ほどの年月を要していましたが、同ツールがあればインテグレーションのフローを大幅に短縮することが可能です。
――実際に、フローを短縮できている実感はありますか?
高木 大手の加盟店に関しては、これから徐々に移行する段階なので、実感できるのはこれからといったところですが、中小事業者の方々から寄せられた問い合わせに対する回答スピードの向上は、すでに実現できているのではないかと感じています。
中小事業者のPayPay導入は、カート事業者のサービス経由での利用が大半を占めますが、一方で自社開発のニーズも少なからず存在はしていました。こうしたニーズに対し、これまではなかなか効率的なサポートができていない状況だったのも事実です。しかし、今後はPayPay for Developersが私たちの代わりにサポートを行ってくれます。