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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

[ECzine Press 2020 Summer]ECで困ったらこの1冊!CX編(AD)

巣ごもり消費でチャット利用約3倍、EC売上150%に! 空色に聞く、加速するデジタル接客のCXとは

顕在化していないニーズに対し有人チャット接客で感情を昂ぶらせる

――チャット接客について、CXの視点も混じえて詳しく説明いただけますか。自動応答するAIチャットボットが注目を浴びたこともあり、有人のデジタル接客ツールと混同している読者もいるのではと思います。

 いわゆるチャットツールについて、当社の調べでは国内だけでも100社程度が提供しています。多数あるチャットツールは開発目的により、ふたつに分類できると考えています。ひとつは、単純にお問い合わせへの対応を自動化し、仕事を効率化しようというもの。9割のツールはこちらに類すると言っていいでしょう。もうひとつは、お客様との接点をリアル・デジタル問わずに持ち、1人ひとりのお客様に継続してお買い上げいただけるよう関係構築していくことを目的にしたもので、当社のサービスは後者に当たります。

 「(なんとなく)ジャケットが欲しい」「(なんとなく)カーテン替えようかなあ」と、ニーズが顕在化していないお客様も多い中、チャット接客の会話の中で感情を昂ぶらせていき、最終的に購入の背中を押すことができるのが、有人チャット接客の良いところです。当社はその考えのもと、AIチャットボットを提供する前段階で、実店舗で3年以上接客を経 験した人材を雇用し、有人のチャットセンターを作りました。カスタマーサポートでなく、セールスの視点で有人チャットセンターを始めているのが特徴です。

 有人チャットセンターを運営する中で、リアルでの接客とチャット接客では、お客様が購入の意思決定を行う流れが大きく異なることがわかってきました。そこでの学びを反映し、購入につながる有人チャット接客ツールをまず作り、その工程の中で自動化できる部分を担当するAIチャットボット作った、というのが当社のサービス提供の流れです。

 当社ではお客様接点の視点から、購入後に発生するカスタマーサポートと、購入前に対応するセールスを切り分けて考えていません。ここを切り分けてしまうことで、新たな 売上獲得の機会を失するのを何度も目にしてきました。カスタマーサポートへのお問い合わせの後は、顕在化していないニーズへの応対の機会が生まれるだろうという考えのもと、AIチャットボットと有人チャットを組み合わせ、最終的に企業としてお客様満足度を高め、LTVの向上につながるようサービスをご提供してきました。業界別におさえるべきポイントに特徴はありますが、お客様との根本的なコミュニケーションのありかたについては、この考えで大きく差異はないと考えています。

AIチャットボットと有人チャットの対応領域

――AIチャットボットと有人チャット接客との分岐など、お客様とのコミュニケーションのシナリオについてはこれまでのご実績からアドバイスいただけるのでしょうか。

 AIチャットボットについて、導入企業様でシナリオを作られなくともすでに当社が構築済みのものをご提供することもあれば、導入企業様独自の目的を実現するための会話を自動化したい場合であっても、シナリオ構築からAIのチューニングまで総合的に請け負っています。有人チャット接客については、コロナ禍により、実店舗の販売員によるチャットセンターの構築を急がれたい企業様も増えています。単純にツールを導入するだけでは実現が難しいため、どのような有人チャットセンターであるべきかを定義したうえで、チャット接客に不慣れな販売員に向けたトレーニングも含めて立ち上げを支援しています。

――SNSやオンライン会議システムを使った販売員のデジタル接客も注目を浴びています。実行の注意点はありますか?

 個々の販売員がデジタル接客で提供する体験(CX)を、企業側が管理していることが重要だと考えます。デジタル接客の場で起きるクレームや商品の瑕疵に関する責任などは、最終的には企業が負うものです。接客の管理ができていない事例が散見していますが、その場合はまだ十分に認知されていないリスクが潜在していると言えます。企業の取り組みの中で、いかに個人の販売員の方が安全に活躍できるかという視点で考えていただくべきだと思います。

 個人のアカウントで接客するのか、企業が発行した個人のアカウントで接客するのかの違いは、情報管理が行えるか否かです。たとえば営業時間外にお客様から問い合わせがあり、個人アカウントで応対した場合、応対内容を管理できないだけではなく、申請されていない時間外労働に対する未払いが蓄積していくという2つのリスクが発生している状態です。

 企業が発行した個人アカウントであれば、応対内容や労働時間の管理はもちろん、チャット接客、実店舗、コールセンターなど明確な役割分担のもと、自分の権限で許された範囲内で自由に接客をすることができるようになります。効率が上がるのはもちろん、CXやOMOを実現するための会社としての思想を接客に反映することができ、会社全体としての成果を上げることにもつながります。また、ログデータも蓄積されるためマーケティングデータとして活用することも、次のステップとして期待できます。今行われている、取り急ぎ個人のアカウントで接客するという事態は、リスクも大きく、企業として知見を貯めていくという意味でもったいないことだととらえています。デジタル接客のログデータを全体のCX向上に活かすことがLTVを伸ばす体験を実現する上で非常に重要です。

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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