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季刊ECzine vol.12特集「Essence of Subscription~つながり続けるための顧客体験とは~」

おもちゃを届けるだけじゃない 「トイサブ!」が提供する“親視点”でつながるサービス

 おもちゃのサブスク「トイサブ!」が目指すのは、子育てに悩むユーザー1人ひとりに寄り添うサービスだ。 ※本記事は、2020年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.12』に掲載したものです。

 動画や音楽のコンテンツ配信をはじめ、ファッションアイテムからカメラ、自動車まで、さまざまなジャンルに広がっているサブスクリプションサービス。そんななか、国内のサブスクビジネスで年間もっとも活躍した企業を表彰する「日本サブスクリプションビジネス大賞2019」のグランプリに輝いたのが、おもちゃのサブスク「トイサブ!」を運営するトラーナだ。おもちゃのレンタルに着目した経緯やサービスの特徴、トイサブ!ならではの強みなどを、トラーナ取締役の武山真紀さんに聞いた。

株式会社トラーナ 取締役 武山真紀さん

創業の原点は親としての悩みから

 トラーナが運営するトイサブ!は、定額制で0歳~4歳未満の乳幼児向けのおもちゃ(知育玩具)をレンタルできるサービスだ。子どもの月齢や好みに合わせて個別にセレクトされた最大6種類のおもちゃが、隔月ペースでユーザーのもとに届けられる。決められた返却期限はないので、気に入ったおもちゃは継続し、遊ばなかったおもちゃのみ新しいものに交換することもできるほか、レンタルしたおもちゃを特別価格でそのまま購入することも可能。2019年12月時点で、2,200世帯以上のユーザーに利用されている。

 トイサブ!がスタートしたのは2015年。おもちゃのサブスクでは、イオニアとも言える存在だ。サービスが生まれたきっかけは、代表の志田典道さんが自分の子どもに「どのおもちゃを選べば良いのか」と悩んだことだと言う。知育玩具は高品質であると同時に、高価なものも多い。気に入ってくれるかわからないおもちゃを購入するリスクの大きさやおもちゃ選びに費やす時間から家族を解放できれば、親子の時間をもっと充実させられるようになるのではないか。そしてそれが社会貢献にもつながると考えて、志田さんはトラーナを起業。同年にトイサブ!を立ち上げた。

 今回お話を聞いた取締役の武山真紀さんは、トラーナ創業時からのメンバー。自身も子を持つ母親であり、やはり共通する経験や思いが同社で働くベースにあると言う。

「店頭で子どもが気に入ったように見えて買ったおもちゃでも、家ではまったく遊んでくれなかったり、すぐに飽きてしまったりすることが何度もありました。そのたびに、使われないおもちゃが部屋に溜まっていくんです。『最適なおもちゃをプロが選んでくれて、さらに使わないおもちゃを家に置かずに済むようなサービスがあったらいいのに』と思っていました。ちょうどそのタイミングで、友人の志田からまさに思い描いていたようなサービスを始めようとしていることを聞かされて、ぜひ一緒にやりたいと思い、ビジネスパートナーとして立ち上げから参画することになりました」

 トイサブ!をスタートした当時、「サブスクリプション」というビジネスモデルはほとんど世間に認知されていなかった。加えて、志田さんも武山さんもおもちゃ業界は未経験。仕入れの相談で玩具メーカーや卸業者を巡っても、「レンタルでは数が売れない」と思われ取り合ってもらえず、小売店で調達せざるを得ないような状況だったと言う。それが創業後、サブスクやシェアリングエコノミーといった概念が社会に広がり始めたことで、徐々に風向きが変わってきた。

「幸いメディアにたびたび取り上げられたこともあって、トイサブ!自体の認知度も上がり、メーカーからの問い合わせも増えていきました。たとえば、地方の老舗玩具メーカーなどは高品質なおもちゃを作り続けているけれど、量販店の数が減り、販路拡大や認知向上ができずに困っているケースも少なくありません。そのようなメーカーのおもちゃも、トイサブ!を通すことで、従来の販売方法では出会えなかったお客様に直接商品を届け、良さを伝えることができます。『子どもたちに良いおもちゃを届けたい』という思いを共有できるメーカーの皆さんとお互いに協力し合えるのは、やはりうれしいですね」

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この記事の著者

萩原 敬生(ハギワラ タカオ)

ライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/7563 2020/04/16 07:00

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