白抜きにもこだわりを イーザッカマニアの撮影にかける情熱
イーザッカマニアストアーズは、神戸を拠点にカジュアルブランドの洋服や雑貨を扱うセレクトショップ型ECサイトだ。自社ドメインのサイトのほか、各種モールへの出店や実店舗の運営も手がけており、楽天市場のショップ・オブ・ザ・イヤーやYahoo!ショッピングの年間ベストストア受賞歴も多い。
イーザッカマニアストアーズでは、現在7名のデザイナーが商品ページを除くすべてのデザイン、撮影業務を行っている。撮影は毎日ペースで行われており、新商品が大量に入荷する春と秋は撮影量も必然的に増える。アパレル中心の商品展開のため、物撮りだけでなくモデルを使った撮影も多い。Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングら大手モールのほか、SHOPLISTのようなアパレル特化型のモールにも出店しているが、各モールのレギュレーションに合わせて商品画像を用意するのはひと苦労だと田尻さんは語る。
「モールによってレギュレーションが異なるため、どうしてもある程度の時間がかかってしまいます。単調な物撮りよりも、イーザッカマニアらしさが表現でき、色補正が物撮り以上に難しいロケ写真のようなものに編集に手間と時間を充てることができたらという悩みがあります」(田尻さん)
カジュアルなレディースアパレルの魅力が伝わるよう自然光の下で撮影された柔らかい印象の写真は、イーザッカマニアストアーズの大きな特徴だ。紙媒体用の写真はプロのカメラマンに依頼することもあるが、ウェブ用の写真は基本的に自社のスタッフが撮影を担当しているというから驚きだ。
「美しく撮るのではなく、魅力的に撮ることを常に意識しています。質よりも写真から伝わる楽しさにこだわっているので、極端かもしれませんが『ブレていても良いからかわいい写真を撮って来て』とスタッフに言ったこともあります。とはいえ、素人写真のままではお客様にお金を払って買おうと思っていただけないので、撮影スキル向上のためにカメラの勉強会を開いたり、各自で研究したりしています」(浅野さん)
魅力的な着用画像の撮影に奔走する一方、日本ではそれほどファッションに強くない時代からAmazonに出品するという、あえて白背景の商品画像を用意する手間が増える決断を行ったのはなぜなのか。
「Amazonがやるということは、いずれ他もやる可能性が高いので対応する価値があると判断しました」(浅野さん)
「単なる白抜き画像と思われるかもしれませんが、商品の置きかたや影のつけかたなどで商品の良さ、ひいてはイーザッカマニアらしさを出すことが大事だと考えています」(田尻さん)