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巷のOMO論で抜け落ちがちな本質は「意味の置き換え」だ 『アフターデジタル』藤井さんと語る

前編
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 コメ兵の藤原さんが、一見ECとは関係ないようにも見える人たちやECど真ん中の人たちとお話しすることで、EC、そして「オムニチャネルの次」を探そうという趣旨の対談シリーズ。第6回は、『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(日経BP社)共著者のビービット 藤井保文さんが登場です。

『アフターデジタル』著者の藤井さんとOMOを語ろう

藤原(コメ兵) 藤井さん、ビービットには新卒で入社されたんですか?

藤井(ビービット) そうなんです。音楽をやっていたので入社したのが26歳で、今9年目ですかね。

藤原 入社して、いきなり「中国行け」って言われたんですか?

藤井 29歳でバンドが終わったところで、まず「台湾に行け」と言われて、中国はその後ですね。藤原さんは、中国には頻繁にいらっしゃってるんですか?

藤原 ちょこちょこ行ってます。それこそ、『アフターデジタル』を読んで。もともとBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)とお付き合いがあったので、そのうちの1社の日本法人にお願いして現地のメンバーとミーティングを設定いただきました。そこで、コメ兵でも考えていた「数年後にこういう世の中がくるから、今はこういうことをしないといけないですよね。あってますか?」といったことをお話ししました。

藤井 具体的には、どんな内容をお話しをされたんですか?

藤原 コメ兵はラグジュアリーブランドを扱っているので、お客様とコミュニケーションを取ることができる機会が、年1回だったり、3年に1回だったりします。買取もやっているのですが、こちらは一生に一度か二度の可能性もあります。そうなると、広告で集客してCRMを回すというコミュニケーションになってしまい、これから日本の人口が減っていくことも踏まえると、しんどいなと思っていました。

加えて、都内の商業地区の家賃は今より高くなってくると予想してまして、僕らがお店を出すのは、銀座や新宿のような一等地です。人件費も考慮すると同じコストをかけるならお店は小さくならざるを得ないし、デジタルでもモノが売れるようにしなければならない。消費者はすでにデジタル化しているので、なかなか街に出てこなくなるのではないかとも考えています。

だから今、買取に関しては都心周辺の居住エリアに小さいお店を出し始めています。販売のほうは、お客様が住んでいる、たとえば東急東横線の学芸大学駅や小田急線の経堂駅といったところに出店しています。当社は2008年頃からオムニチャネル化を始めていたので、ECを媒介にして、お店に取り寄せて販売するというスキームはある程度完成しています。実際、お店に置いてあるものをポンと買うより、ECで取り寄せたほうが顧客単価は上がっています。でもそれは、モノ自体はお店にないことも意味するので、ますますデジタルのほうにシフトしていかないといけない。

とはいえ、コメ兵の強みは販売員なのです。今、店でやっていることの何%くらいがデジタルに持っていけるのかな、という話をしました。

藤井 ミーティングをされた現地の方、なんておっしゃってました?

藤原 「そう」って(笑)。その後は、当社なら一気通貫できるというビジネスの話になり、すごいなとは思いましたが、やっぱり規模が違う。その中のエッセンスをどうもらうかを考えたときに、「顧客データをどう集めるか」「リアルの接点をどうするか」「データをどう使うか」だろうと。自分たちがやってきたこと、考えていることも間違っていないなと実感しました。

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