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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

コメ兵・藤原の「オムニチャネルの次の話をしよう」

江戸時代のカスタマーサクセスを仕組み化するのが僕たちの仕事 『アフターデジタル』藤井さんと語る

 コメ兵の藤原さんが、一見ECとは関係ないようにも見える人たちやECど真ん中の人たちとお話しすることで、EC、そして「オムニチャネルの次」を探そうという趣旨の対談シリーズ。第6回は、『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(日経BP社)共著者のビービット 藤井保文さんが登場です。

商品もUXのひとつ。体系化し、会社のCXとして磨くには

藤井(ビービット) 私が最近考えていることをお話しさせてもらうと、今の社会、あるべきビジネスの形が商品販売型から体験提供型になっていると捉えています。体験といっても、アトラクション的な非日常体験ではなく、日常的な、顧客に寄り添う体験です。顧客に提供する価値が、商品からUXになっているのではないかと考えているんです。これまでは商品を企画して作ることが最重要事項でしたが、商品が接点のひとつにしかならなくなっている。商品を一部とした全体の設計を企画することが求められているんです。モノ時代にモノが大事だったのと同様に、アフターデジタル時代にはUXをどう企画するか、その1つひとつのチューニングを精度高く企画できるかが重要になってくる。ただ、今はそのケーパビリティを持っているところがデジタル専業会社でもあまりないし、属人的になっている。ブーストしがいがあるところなのに、なかなか伝わらないんです。

藤原(コメ兵) 僕が会社でよく言うのが、「お客様は暖簾(のれん)で集まって人から買う」ということ。でも、「人から買う」はどうしても属人的なので、販売員Aさんが異動になると関係が途切れてしまうお客様もいる。会社として、その課題をどうするかですよね。藤井さんがおっしゃるように、購入前・購入時・購入後の体験を会社としては一貫し、お客様により良く感じてもらうにはどうしたらいいのかをよく考えます。職人さんの頭の中だけに入っていたり、天才は自然にできてしまうけれど、全体としては仕組み化、体系化が必要なのかなと思いますね。そのあたりはビービットさんの仕事なんじゃないですか。

藤井 実は「USERGRAM(ユーザグラム)」は、UX企画力をいかに上げるかということを中心に作っているのですが、ファネルの話として解釈されてしまったりと、なかなか伝わらないんです。アフターデジタル時代は、ターゲティングだけでなく、最適なタイミング、最適なコンテンツの提供ができるようになります。でも、そもそもお客様との接点を常時持っていないと、最適なタイミングも最適なコンテンツもわからないですよね。だから分析しましょうというサービスなんです。

藤原 今の藤井さんのお話がわかった人のビフォア・アフターは、意識として何が違うんですか?

藤井 多いのは、「人に伝えなきゃ」と思ってくださることです。人より売れたり、問題点がわかったりする人は「なぜ部下はできないんだ?」と思っているのですが、理解してくださると「そうか、これをやらせればいいんだ」と。

藤原 僕、『アフターデジタル』を読んでまさにそれででした。今までのもやもやがすべてとれたんですよ。

藤井 ありがとうございます。

藤原 全社員に読んでほしいと思ったんですが、すぐには理解できない内容だから、まず言ってまわろうと思ったんです。僕、やりたいことがあると1年くらい吹聴して回るんです。話していると、自分の考えが整理されるので。世の中はこうなっていて、だからこういうことをやりたいと思っているというのを、自分の言葉で話せるのは重要だと考えています。『アフターデジタル』を読んで、会社をアフターデジタルの世界に持っていきたいと思う人、たくさんいらっしゃると思うんです。その方たちはまず自分の言葉で伝えると、聞いている人たちのマインドも変わってくるし、仲間が作れると思うんですね。

藤井 自分の会社はもちろんですが、アフターデジタルの話ができる人を増やしたいんですよね。実は、『アフターデジタル2』が書けるくらい情報は貯まっているんですが、情報を増やせばいいわけではないとも感じています。人に広めてもらったり、アクションを取ってもらうことのほうが重要だと思いました。私が自分で喋るばかりになっていたかもしれません。

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この記事の著者

株式会社コメ兵 執行役員 マーケティング統括部長 藤原義昭(フジハラ ヨシアキ)

2000年自社ECの立ち上げをし、物流からささげ業務まですべてを構築し、全社マーケティングを行いながらオムニチャネルを推進している。 現在はマーケティング部門を統括し傘下にシステム部門、マーケティング部門、EC部門、WEB事業部門、CtoC部門をおさめている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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