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ビジネスモデルイノベーションを生むX+Oとは 顧客起点の本質に迫る「SAP CX DAY 2019」

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2019/10/29 11:00

 SAPジャパンは、2019年9月12日にワテラスコモンホール(東京・千代田区)でイベント「SAP CX DAY 2019」を開催した。『顧客起点の本質に迫る ビジネスモデルイノベーションを生む「X+O」』をテーマに、SAP Customer Experience 最高イノベーション責任者のユージニオ・カッシアーノ氏が初来日し、買収したクアルトリクスも登壇。BtoB、BtoC企業が登壇し、DXをテーマにパネルディスカッションを展開した。

ビジネスモデルイノベーションを生む「X+O」とは

 はじめに、SAPジャパン 代表取締役社長 福田譲氏が登壇。本イベントのテーマ『顧客起点の本質に迫る ビジネスモデルイノベーションを生む「X+O」』について、従来の顧客をマネジメントするという発想でなく、顧客が本当に求めているものは何なのか、瞬間ごとの感情をとらえ、顧客価値を最大化するという考えかたに変わるべきだと提言した。

SAPジャパン株式会社 代表取締役社⻑ 福田譲氏

 今回のイベント「SAP CX DAY 2019」には、SAPが買収したクアルトリクスも登壇。福田氏は、クアルトリクスを「エクスペリエンスマネジメントの先駆者」として紹介し、80億米ドル(約9,000億円)もの巨額の投資は、今回のイベントのテーマにある「X」の部分を、クアルトリクスが担うからだと述べた。

 「従来のシステムの多くは、業務遂行のためのシステムであり、発生するデータはそのオペレーションの結果の『O』データでした。たとえば販売管理システムであれば、『売れた』『売れなかった』という結果はわかるけれども、『なぜ売れなかったのか』はわかりません。お客様が買わずに離反された理由を示してくれるかもしれないのが、エクスペリエンス、つまり『X』データなのです。XとOのデータをかけあわせ科学的に検証することによって、『なぜ』がわかるのではないか。XとOの融合により、これまでITが踏み込めなかった分野にまで踏み込めると考えています」

 これまでITが踏み込めなかった分野には、いま多くの企業が求められる「イノベーション」も含まれる。SAPでは、研究者のひらめきのような「インベーション」は難しくとも、イノベーションは科学的に再現可能だと考えていると言う。

 「たとえば、フリーミアムやサブスクリプションなど、イノベーションに成功した企業には共通するビジネスモデルが多い。SAPとザンクトガレン大学の共同研究によれば、イノベーションには55の『技』があります。この技のうち、自分たちの業種業態では行われていない他業種のビジネスモデルを持ち込むと、イノベーションに成功する可能性が高いのではないか。SAPは、その55の技を『部品』としてクラウド上に用意しています」

 さらにSAPでは、2月にオープンイノベーションのための協業スペース「Inspired.Lab」、8月には共創イノベーション施設「SAP Leonardo Experience Center Tokyo」を大手町に開設した。

 「これらの部品とオープンスペース、XデータとOデータを組み合わせることによって新しい価値、新しい顧客体験を生み出すお手伝いをさせていただければと思います」

SAPのエクスペリエンス戦略「X+O」と最新イノベーション

 続いて、SAP Customer Experience 最高イノベーション責任者(CIO) ユージニオ・カッシアーノ氏が登壇。重要なのは適切なイノベーションをどのような顧客体験で提供するかであり、カッシアーノ氏がSAP社内でどのようにイノベーションを起こしているのかを語ることで、来場者の参考になればと述べた。

 下の図は、カッシアーノ氏が用いているイノベーション・タイポロジーである。横軸が市場、縦軸がテクノロジーの知識の度合いを表している。

 イノベーションを起こす際には、「今」がどのような状況かを把握しなくてはならない。新しいプロダクトが今の市場に受け入れられるのか、またそのために顧客体験やビジネスモデルをどうするべきかを考える必要があるのだ。その際にはXデータを用いることが有効だとカッシアーノ氏。SAPでは「イノベーションセンター」「CXラボ」(タイポロジーの左上に位置)を設立、新しいテクノロジーのユースケースをテストし、市場に受け入れられるかを検討している。

 一方、タイポロジーの右下に位置する「SAP.io」はスタートアップ支援プログラムだ。プロトタイプを短期間に作り上げてテストし、スケールアップできるようであれば商業化する。こうして、すでにSAPから、3つのスタートアップがスピンアウトしている。

 SAPが一緒にイノベーションを起こした事例として、Levi'sを紹介。Xデータを分析すると、「店頭のスタッフは来店したお客様のことを知らず、はじめて会った人として接客しなければならない。行列に並んだお客様は、匿名の人間のように扱われていると感じている」という課題が見つかり、12週間で「Levi's Pocket Stylist」というサービスを開発。顧客は店舗でログインすることにより、さまざまなフィジタル体験が可能になり、店舗スタッフは顧客の情報を知ることができるようになった。決済の機能も持ち合わせることで、行列に並ぶ必要もなくなったのである。「これはSAPのエコシステムによって実現したイノベーションである」とカッシアーノ氏は言う。

SAP Customer Experience 最高イノベーション責任者(CIO) ユージニオ・カッシアーノ氏

 すでにさまざまなスタートアップが参加しており、SAPのエコシステムは始動しているとのこと。そのうえでSAPの価値とはなにか。それは「エンドトゥエンドでの価値提案を補完すること」であるとカッシアーノ氏。来場者に対し、イノベーションを起こすパートナーを選ぶ際は、何かひとつに特化したテクノロジーではなく、エコシステムを選択すべきだとメッセージした。

 最後に、イノベーションを継続するには「未来のCX関連テクノロジー」「戦略的なカスタマーエンゲージメント」「イノベーションのエコシステム」の3つが重要であるとポイントをまとめた。


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