Googleショッピング広告の効果を最大化するために
続いて田中氏は、Googleショッピング広告でより高い効果を引き出すためのポイントを解説した。
最初に挙げたのは、「Amazon Pay」の導入だ。広告運用と直接的には関係ないが、ユーザーの即断即決を促すという点においては、Googleショッピング広告を活用する目的とも一致する。
「インターネットで商品を購入しない理由として『会員登録が面倒』『個人情報のセキュリティが不安』という声が多いのですが(※クロス・マーケティング「オンライン消費に関する調査」2018)、Amazon Payを導入すれば面倒な会員登録は不要となります。住所や決済情報も入力不要でAmazon側で管理している登録情報を使うので、セキュリティの不安もかなり軽減されるでしょう」
ここからは、広告運用面でのポイントとなる。
重要な情報はできるだけtitle属性(商品名)の前方へ
Googleショッピング広告は、商品名が表示しきれずに「...」表示で省略されているケースが多い。同時に表示される商品数が多いほど、表示できる文字数は少なくなる。
「テレビなら画面サイズ、レコーダーならハードディスク容量など『その商品を選ぶときの基準になりうる情報』は、省略されないようにできるだけtitle属性の前方に入れる必要があります」(田中)
特定のキーワードを狙うなら、title属性を変更する
Googleショッピング広告はキーワードの登録ができないが、狙ったキーワードで広告を表示させる方法はある。たとえば、「母の日 商品名」のようにギフト用として検索されるキーワードで広告を表示させたい場合には、title属性に「母の日」を入れる。
なお、キーワードのマッチングと広告可視領域は関係ないので、狙いたいキーワードがあるが商品名の前方に入れるのは不都合がある場合などは、title属性の後半に入れておけばよい。ただし、商品詳細ページで「母の日に最適」など、母の日に関するコンテンツに乏しいと、母の日に関係ないと判断され、離脱につながってしまうことにもなりかねないので、乱用はおすすめしない。
バリエーション違いの商品で入札価格に差をつける
Googleショッピング広告で商品のグルーピングに使える属性はいくつか種類があり、商品によって入力される値が決まっている項目と柔軟に変更できる項目がある。
「Google商品カテゴリ」属性で商品グループを構成すると、テレビの区分は「電気製品>映像>テレビ」となる。それ以上詳細な区分に分けられないので、すべてのテレビの入札価格は一律で変えられない。
「たとえば、40インチのインプレッションを増やすために入札価格を変更したい場合などは、『商品カテゴリ(product_type)』属性を使えば独自のカテゴリを柔軟に設定できるので、画面サイズによって入札価格に差をつけることも可能となります」(田中氏)
ほかにも、田中氏は次のようなポイントを挙げた。
商品フィードのデータを整備する
思わぬキーワードで広告が表示されてしまわないように、判明している情報はできる限り正確に商品フィードに格納する。
運用データは配信デバイスごとに見る
PCとスマートフォンでは広告表示位置が大きく異なるので、インプレッションシェアやクリックシェアはデバイスごとに分割して確認する。
動的リマーケティングと組み合わせて活用する
Googleショッピング広告で呼び込んだ新規顧客に対して、動的リマーケティングで再訪を促す。
これからGoogleショッピング広告の運用を始めたい人はもちろん、すでに運用しているものの思うように成果が上がらない人にとっても、有用なヒントが得られたのではないだろうか。