“より良い顧客体験”なんて不可能? 川添隆さんにCXを聞く
4月26日に開催されるイベント「E-Commerce Conference 2019」において川添さんは、イープラス 小西雅春さん、セールスフォース・ドットコム 増田拓也さんとともに、パネルディスカッションを行う予定だ。
セッションタイトル『“満足しきった生活者”と、ECでどのように顧客関係を築いていくか~情報過多、代替手段が多い時代の中のカスタマー・エンゲージメントとは~』に込められた意味とは。そして、川添さんはその場で何を語るのか。詳しく話を聞いた。
――セッションタイトルの意図を教えていただけますか?
昨年登壇したイベント「アドテック東京」で、当時アウディで現Yahoo!の井上大輔さんが、”コンプレイセンシー(complacency)”についての話をされていました。日本語にすると“満足しきっている状態”を意味します。地域によって多少の違いはあれど、日本の生活者は、モノやサービスに対して大きな不満を抱えているとは言えません。むしろ充足していることが大前提なのです。そのような状況下で、大量の情報が浴びせられ、かついつでも取得できる状態なので、“満足しきっている状態”なのです。
ECについても同様で、日本のEC化率が上がらないのは、優れた代替手段がたくさんあるから、あえてECを選択する必要がない。井上さんは、その大前提を認識しなくてはいけないというお話をされていて、その通りだと思いました。そして、いずれこのテーマでディスカッションをしたいと考えていたんです。
顧客体験というと、それを良くすること、何かプラスすることばかり考えてしまうけれど、ここまで満足しきっている状態で、さらに大幅に良くすることなどできるのでしょうか。それには視点を変えたり、まったく別の発想が必要になるでしょう。しかし、より良い顧客体験のためにも、まずは前提をきちんと理解しましょう、ということを伝えたいなと考えました。
次のステップとして、顧客の課題解決を考えるべきだと思うんです。充足した生活を送っているけれど、小さな不満や隙間は必ずあります。それは、顧客体験のうちのマイナスの体験だと言える。一緒に登壇するイープラスで言えば、チケットの転売問題と戦っています。転売によって顧客のマイナス体験を減らすために何ができるか。テクノロジーをどう使っていくか。イープラスのその課題感を、今回のテーマと掛け合わせてみました。
川添さん登壇!4/26開催「E-Commerce Conference 2019」
今回インタビューに答えてくださった川添さんも登壇! 変化し続ける時代に、目指すべき理想のECとは。その答えを探るべく、注目を浴びるキーワードのひとつ「顧客体験(カスタマーエクスペリエンス・CX)」をテーマにイベントを開催します。詳細・お申し込みはこちら