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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

インバウンドビジネス最前線

日本のeBay社員第一号に聞く!越境EC売れ筋商品と独自サイトの失敗しない作りかた


 越境ECサイト制作では多数の実績がある株式会社ジェイグラブ。代表取締役の山田彰彦氏は、越境ECの創成期も体験し、しかもイーベイ・ジャパンの社員第一号という経歴の持ち主。そんな山田氏に、「今の越境ECの状況」や「越境ECサイト制作のポイント」について聞いてみた。

越境EC市場では日本の中古ブランド品、お菓子パック、日本酒が人気!

――まずは、山田さんが感じる越境ECの現状を教えてください。

今、越境ECでは中古系の商品は非常に人気です。とくにブランド品の時計、アクセサリー、バッグ、楽器やカメラ、フィギュアやコレクターグッズなどは鉄板ではないでしょうか。価格がそこそこ高くても問題ないです。理由としては、日本以外の方が出品しているブランド品は偽物が多く、エンドユーザーが非常に困っているからです。日本で売られている中古のブランド品は、信頼度が高いんです。日本人は商品を非常に大事に使いますし、リサイクル店がテクニカルにきれいにリファビッシュしているので、ほとんど新品に近い状態で販売していますから。しかも保証書が付いている場合もある。そのような状況もあり、中古のブランド品だけを買いにくるだけのインバウンドツアーが昨今大人気です。

また、遊戯王やドラゴンボール、ポケモンなどのトレーディングカードが海外では人気で日本の買取価格の3倍、4倍で売れるものもあります。遊戯王のカード買取店では、「はずれカード」と言われているものでも海外では高値で売れることがあります。eBayには、あらゆるコレクターがたくさんいるんです。

中古カメラも成功例ですね。あるカメラ販売会社様は、EUのドイツ・イギリスで非常に高く売れています。カメラ業界にいた方から、eBayなどの海外ECモールだけでの販売だけではなく、自社の多言語多通貨の越境ECサイトも作りたいとお問い合わせをいただいた例もあります。ITリテラシーが高い人ではなかったのですが、いろいろとEC市場の調査をされ、日本の中古カメラの販売が日本以上に海外で高く売れるということがわかったようです。日本のカメラは欧米では日本の2~3倍の値で売られているという事情があり、販売開始初月から数百万円の売上がありました。なぜここまで売れたかというと、しっかりと修理をして、普通に使えるようにして販売したり、修理不能な商品は正直に『ジャンク品』としてさらに安く販売するハイローミックス販売を行えたことがポイントだと思います。さらに最近では、この修理に関して、カメラ好きのシルバー層の肩を雇い、人件費も抑えて運営していることで利益を出していたのではないでしょうか。

株式会社ジェイグラブ 代表取締役 山田彰彦氏

――越境ECにおいて「食べ物系」の売上はいかがでしょうか?

私は、食品は一番難しいジャンルだと思っています。PL保険代が数十万円から数百万円かかる場合があります。アメリカをターゲットに入れると、通常の保険代よりもさらにかかります。これでは中々、利益が出ないですし、国際送料もかかります。また弊社のガイドラインとしては、賞味期限が最低3〜6ヶ月ある加工食品でないと、越境ECには向いていないと思っています。なぜかというと、輸入する各国の植物検疫や税関で止められる可能性があるからです。その間に賞味期限が短くなったり切れてしまうと商売になりませんから。

ただ生ものではない「お菓子・スナック系」は非常によく売れています。「白い恋人」などのお菓子のギフトパックはよく売れていますよ。単品というよりは、20ドル、50ドル、100ドルなどの色々なお菓子が楽しめるお菓子パックにしているところが多いです。

日本酒、果実酒(ゆず、梅)などが売れています。基本的にお酒の販売は、約140ヶ国で輸入が禁止されていてアメリカもその国のひとつです。ですから、60ヶ国程度しか販売できないんです。もちろんライセンスを取って販売することは可能ですが、かなりハードルが高くなります。

お酒販売の成功例として、山形県のある酒蔵で日本酒の販売をやっていますが、月間約100本程度は売れているようです。750mlのボトルを2、3本パックにして、専用のお酒発送用の発泡ケースやエアパッキンに入れて発送していまして、 1本だけの単品ではなく、数本単位での販売で成功していますね。そうすれば送料も安く抑えることができますから。

やはりここでポイントとなるは、海外の方が日本に旅行や遊びにきて、自国に帰っても同じ商品が海外から越境ECを通してリピート購入ができるのかが重要です。店舗販売を行っている場合は、越境ECサイトで買えることを店頭でQRコードを名刺やチラシにプリントするなど、しっかりアピールする必要があると思います。

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この記事の著者

浦澤 修(ウラサワ オサム)

ライター・編集/株式会社オージャパン 代表取締役 浦澤修

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/6365 2022/01/14 16:30

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