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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

アパレルECの今を語る

目標は売上1,000億円! 独自の文化を継承するフリークスストアの根底に流れるもの[後編]

 アパレルEC関連のさまざまなゲストをお招きし、ビジョナリーホールディングス(メガネ スーパーの親会社)でEC・オムニチャネル推進を統括する川添隆さんと対談していただくこのコーナー。第17回は、前回に引き続き、フリークスストアを運営する、デイトナ・インターナショナル フリークスストア事業部の小林昌樹さんが登場。ブランドの根底にあるビジョンやカルチャーなどについて、伺いました。

なによりの武器は、いつでもブレることのないデイトナのマインド

デイトナ・インターナショナル 小林さん(左)/メガネスーパー 川添さん(右)
デイトナ・インターナショナル 小林さん(左)/ビジョナリーホールディングス 川添さん(右)

川添(V) 前編では、前職との文化の違いや、シナリオの具体的な運用方法についてお話しいただきました。後編では、ブランドの根底にあるビジョンやカルチャーなどについて、お聞きしたいと思います。

カルチャーを可視化するうえで、クリエイティブ(ブランド発信のあらゆるビジュアル、制作物)は重要なツールになりますが、店舗などで配布されている「フリークストアのシーズンカタログ」のクオリティは、いつもすごいなと感じていました。雑誌並みのクオリティかつ、コーディネート自体も独自性があって、ついつい家にキープしておきたくなります。しかもそれらをすべて内製していると聞いた時には、さらに驚きました。クリエイティブに重点を置く考え方や文化は、以前からあったのですか?

小林(F) 元々、社長の鹿島が自分でお店を始めたのがフリークスストアの始まりです。そのため、販促などもひとりでやっていたのですが、その頃から「フリークスペーパー」というカタログを作成していました。その文化が継承されていったので、カタログを内製するというのは自然な流れだったようです。

カタログにも、デイトナのカルチャーや思いがにじみ出ていると思います。内製することの良さは、そこにあるのではないでしょうか。クリエイティブは企画、構成、撮影もすべて自分たちで行っています。

川添(V) アパレル業界は、マーケティングやクリエイティブは後回しになりがちだと感じます。商品企画の段階から、販売、販促、プロモーション、コミュニケーション(EC、SNSを含む)を一体として計画したり、どのタイミングでどんなクリエイティブを提示していくかを考えている国内アパレル企業は少ないでしょう。先ほどお話しされたカルチャーをクリエイティブとして表現していくというこのようなコンテンツの考え方は、最初からスタッフの皆さんの意識にあったのでしょうか。

小林(F) 作って終わりというデザイナーの方もいるかと思うのですが、デイトナのクリエイティブチームは、しっかり顧客視点を持っています。弊社の場合は鹿島の哲学として、「販促は読んで字のごとく」というところから始まっているので、よりよく見せるというのは当然です。そのうえで、自分たちが売りたいのものは何なのか。どういうお客様に、こうリーチしたいから、こういう成果物になる、というところまで考えて作っていく。そういったマインドを持ったメンバーがいることは、私たちの大きな武器です。

これらの商品画像は、実は社内のベランダで撮影されたもの。ここでバーベキューなどの社内イベントも行うという。
これらの商品画像は、実は社内のベランダで撮影されたもの。ここでバーベキューなどの社内イベントも行うという。

川添(V) 鹿島社長の考え方は、まさにマーケティング思考ですが、根っからの商売人という方が合っているかもしれませんね。私が惹かれるタイプの方です(笑)。社内では元々そういう顧客視点と商売人気質の両方を持った方が多いのでしょうか。それとも徐々に醸成されていったのでしょうか。

小林(F) 後者でしょうね。それがまさに、カルチャーなのではないかと思います。ですが、弊社はビジョンやミッションに共感して入社している人が多いので、同じようなマインドを持った人間が集まってきている、というのはあるかもしれません。

私たちのビジョンは、「熱狂的に生きて世界中を幸せにします」。ミッションは、「価値ある物語を、熱意を持って共に創り、1人ひとりを最高の笑顔にします」。どんなときでもここがブレることはありませんし、私たちは常にこれを追い求めています。スタッフ全員、爪の先までこのスピリットが入っていると思いますよ。

川添(V) ちなみに、今は独立された「TOKYO BASE」のSTUDIOUSもフリークストアから立ち上がっているんですよね。鹿島社長の哲学が受け継がれているなと感じる部分はありますか?

小林(F) そうですね。デイトナには、ファッション的な独自のカルチャーと、鹿島の起業家としてのマインド、つまりファッション観と仕事観のふたつの軸があります。TOKYO BASEさんには、仕事観の部分が特に色濃く出ているような印象を受けます。

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「住宅やホテル事業もすべて真剣勝負。じゃないとやる意味がない」

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この記事の著者

コマースプロデューサー 川添 隆(カワゾエ タカシ)

組織で動く企業の中で、組織・チーム・ユーザーのバランスをとりながら”組織Eコマース&デジタル推進”を泥臭く改革進める人。2社の企業再生経験があり、独自の方法論と実践を通じてEコマース事業において、1社では売上を10倍以上に、5社では2倍以上に増加させてきた。2017年より代表を務めるエバンで小売企業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

ECzine編集部 中村 直香(ナカムラナオカ)

ECに関する情報を、正確にお届けできればと思います。よろしくお願いいたします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/5698 2018/06/08 08:00

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