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季刊ECzine vol.04 特集「2018年こそ! 本気の『LTV』 顧客体験から選び直す ECの仕組み」

MA活用の準備は整った
コスメ通販・エトヴォスが挑む データを活用したLTV向上施策


 10周年を迎えた、コスメ通販のエトヴォス。データ分析のプロが入社し、次に打つ一手とは。※本記事は、2018年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.04』に掲載したものです。

 エトヴォスは、2007年5月設立の化粧品製造・販売会社だ。看板商品の国産のミネラルファンデーションほか、ヒト型セラミドが特徴のスキンケア商品や美容オイル、ヘアメイクアップアーティストとのコラボ商品なども展開している。

 代表である尾川ひふみさんが、ウェブデザイナーとして働くうちに肌荒れに悩み、ニキビに関する情報を個人サイトで発信。自らのために作っていたコスメを販売するため、起業。海外産ミネラルファンデーションに出会い、日本人の肌色によりあったものを製造・販売することにし、エトヴォスの設立となった。

 当初、コスメのパッケージのデザインも自ら手がけていたとのことだが、さすがウェブデザイナーだけあり、ウェブサイトも含め、アパレルサイトのように洗練されており、いわゆる単品通販のようなサイトとは一線を画する。モールでも販売しているが、85%の売上が自社サイト。オフラインにも展開し、直営店を含む取扱実店舗は300を超える。

 取材時は、ちょうど10周年イヤーの半ばにあたった。10年間、前年超えを達成し続け、売上も拡大。2017年8月には、前職でデータ分析のコンサルティングを行っていたその道のプロ、牛尾るみさんが入社した。規模と歴史により膨大に貯まったデータを活用し、販促やCRMも次のステップに進もうとするエトヴォスの次の展開について、話を聞いた。

株式会社エトヴォス BtoCセールス部マネージャー 牛尾るみさん
株式会社エトヴォス BtoCセールス部マネージャー 牛尾るみさん

データのプロからECの現場へ Data Studioでレポートを作成

 今回、取材に協力してくれた牛尾さんは、前職はデジタルマーケティング会社でデータ分析を担当するコンサルタント。EC事業者にも、提案を行う立場だったと言う。

 「施策をご提案し、お手伝いはできても、実際に生のリアルタイムなデータを見ることは難しいですし、成果も最後まで見届けられないことが多かったんです。それなら自分でやってみたいと思い、EC事業者側に転職することにしました。自分が愛着を持てる商品を扱いたいとの思いもあり、エトヴォスに入社しました。前職では、『なぜ、ご提案したことをすぐに実行してくださらないのだろう』と歯がゆい思いもしましたが、中に入ってみてわかりました。ECの現場って、本当に毎日、忙しいんですよね。入社してさっそく、『Google Data Studio』を使って、アクセスログの現状を俯瞰して見られる9ページほどのダッシュボードを作り、自動で更新されるようにして他部署にも共有しています。毎日、Google Analyticsで深掘りする時間を作るのは難しいので」

 現在の牛尾さんのポジションは、ECチームのマネージャー。チームのマネジメントを行いながらディレクションし、CRMのためにデータマネジメント(収集から分析まで)も手がける。同社のBtoC-ECにかかわる業務は、すべて見ていると言っていい。読者の中にも、何かのプロフェッショナルでありながらECチームのマネジメントも行っているという人は、少なからずいるはずだ。

 「やってみたい分析、それをもとにしたシナリオや施策は山ほどあるのですが、マネジメントと兼業なのでなかなか自分の手が動かせなくて、もどかしい思いをしています」

 データ分析のプロからするともどかしいかもしれないが、同社が利用するCRMツールベンダーの話によれば、エトヴォスではデータ活用に関して、先進的な取り組みを行っているとのこと。ステップメールや、セグメント配信など、メール施策の基本はクリア。F2転換率や継続率など、日々のデータを見ながら顧客分析を徹底的に行い、広告についても、評価をCPAではなくLTVで評価するように切り替え、顧客データとかけ合わせた分析も行っているとか。

 「そう評価していただけるのはうれしいですが、私から見るとデータ活用については40点くらい。それはまだまだやれることがある、伸び代があることも意味しています。顧客データを活用したCRMのメール施策は、2年ほどかけて準備をしてきました。今年から、CRMツールやマーケティングオートメーションなどを活用して、実際に施策を回していくことになります」

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