100を101にする努力より、他にやることがある
ナイルの土居さんといえば、書籍『10年つかえるSEOの基本』(技術評論社)で有名ですよね。その土居さんと、現場でガッツリSEOに取り組んでいる平塚さんに、モールではなく独自ECサイトでのSEOについて聞いてきました。
森野(運営堂) 今日は独自ショップのお話などを伺いたいと思います。規模としては月商が1千万円~数億円の独自ショップが対象です。まず初めにSEOでこれはやっておくべき、ということはあるのでしょうか?
土居(ナイル) はっきりとした主張で言ってしまうと、正直、SEO以外のところでがんばったほうがいいんじゃないですか?というのはあります。だいたいのECサイトは仕入れて売りますし、当然広告費もかけるのでそんなに利率がいいわけではありませんから、ガツガツSEOに投資できる余裕がある企業って少ないと思います。専門の人員を雇う余裕もありません。
「リソースはさけません。例えばシステムにガッツリ手を入れるような余力もありません。でもSEOは何とかしたい」という方は多いのですが、強いてやっておくべきことを言うなら、ページタイトルをしっかりと見直そうというところからですね。
森野 なるほど、SEOって無料でガンガン集客してくれるイメージがありますが、そうでもないですよね。
土居 予算もリソースもないのに、「なんかSEOでできることないか」とひたすら考えてトライしている。そのほとんどは100が101になるかどうか、というような内容です。もっと言えば、誤った方法で100を70とか30にしてしまった、なんてこともめずらしくありません。何かやったほうが良くなるという安心材料だと思うんですけど、正直大した結果には結びつかないので、時間の無駄ですよと。やれることが限られている、改善余地が限られているんだったら、すっぱりあきらめて他で頑張るっていうのも、ひとつかなとは思いますね。
森野 なるほど……、確かに。必ず話が出てくるモバイルサイトのSEOはどうでしょうか? いわゆるMFI(Mobile First Indexing)です。