「会員登録しないと購入できない」戦略で、リピート率60%
OHOTOROは、会員登録した顧客だけが購入ができる、やや閉鎖的な仕組みをとっています。これは会員登録を行った顧客の場合、離脱率も低く、リピーターになり、自発的なレビューをしてくれる効果があるからだそうです。実際、OHOTOROの登録顧客の年間再購買率は60%に達し、17年上半期の売上高は前年比2倍以上に増加するなど、継続的な成長を遂げています。
モバイル流入が95%以上である点も、注目したいポイントです。OHOTOROではこれを受け、モバイルサイトのメインページで迅速な商品検索ができる「ワンタッチ」機能を提供しています。
また、モバイルからアクセスする顧客との接点を増やすため、Instagramなど日本語のSNSアカウントも積極的に運営しています。
単なる商品販売でなく、顧客とともに大切な思い出を作っていく
ここから、OHOTOROの鄭CEOとの一問一答をお届けします。
――日本市場だけで事業展開する理由を教えてください。
日本市場は、韓国と文化的に類似しています。また、アパレルは大手モールでの購入が多く、多彩なカテゴリのアパレルECサイトが少ないことに気づきました。この2点から、弊社ならではのオリジナル商品をうまくアピールすると競争できると判断しました。世界有数のアパレルブランドが競争する日本市場を舞台に、チャレンジしたい気持ちが強かったのです。
――セレクトショップとしてOHOTOROのコンセプトは?
「Good things、enjoy in bits」というスローガンを掲げ、ひとつの商品を購入していただいた場合でも、顧客が満足できる商品提供に取り組んでいます。最近、日本でも韓国商品をネットで気軽に購入できるようになりましたが、弊社は単なる商品販売にとどまらず、顧客とともに大切な思い出を作っていくECサイトを目指しています。
―― セレクトになると、数や値段では勝負できないと思いますが、勝算はあったのでしょうか。
価格競争力を高めることより、商品クオリティを上げることに集中しています。また、日本人MDを通じて、日本人の体型、トレンド、スタイルを反映したオリジナル商品を企画しています。こうした差別化により、十分戦えると判断しました。