会員登録件数は10%増、CVRは2倍に
店舗とのシナジーも見えつつある。会員顧客のIDはECサイトと実店舗で統一しているため、どちらで購入した顧客に対しても同一のシナリオを活用できる。たとえば実店舗を経由した会員登録の場合、店舗では仮登録の段階だ。この時点で収集したメールアドレスから、本登録につなげるアプローチにおいて効果を生んでいるという。
「これまでも本登録を促進するメールは送っていましたが、Marketing Cloudを利用することで、コミュニケーションの方法を変えることができました」(久保田氏)
本登録のメリットだけでなく、こんな洋服もありますよ、と紹介するなど顧客に合わせて切り口を変えたアプローチが可能となった。このようなステップアプローチにより、実店舗での仮登録からWebでの本登録につながる件数が10%ほど改善したという。
「これまで送っていたメールと比べ、確実にご覧いただけている実感があります」と高橋氏。数値でも、CTRは2倍以上に、CVRも2倍程度の成長が見られた。
運用面でもメリットを感じられている。「別々のツールで施策を実行していた際には、複数のデータを突き合せると整合性がとれていないこともありました。一方、Marketing Cloud上ではどのタイミングでお客様に何をしたらどうなるのかが、数値としてきれいに見えてきます。一つの指標の中で複数のデータを比較することも容易になりました。集計作業に費やしていた時間を、戦略を考える時間に割けるようになったことは大きいですね。」(久保田氏)
情報鮮度と顧客行動でLINEとメールを使い分け
さらに、高橋氏らはHTMLメールに加えてLINEでの情報発信を開始した。Marketing CloudとLINEビジネスコネクトを活用し、たとえば、商品をカートに入れる前の段階である「お気に入り」の商品についても、値下げや再入荷などの情報をタイムリーに伝えられるようになった。
「LINEの強みは即時性。すぐにお客様にお知らせしたいものはLINEに、時間のあるときに見ていただければ良いものはメールに、と、お客様の行動と、情報鮮度がどれだけ維持できるかによってツールを使い分けています」(高橋氏)
今後の成果を見ながら発展させていく意向だ。「お客様に心地よいタイミングはいつなのか、これからが試行錯誤」と久保田氏は語る。
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