カインズ全体のウェブ戦略の中で、ECが果たす役割とは
カインズホームの実店舗には、以前から訪日外国人観光客が数多く訪れているが、最近では、カインズオンラインショップへの越境購入も増加しているという。
「インバウンド観光客の方は、宿泊しているホテル留めの通販をよく使われますね。そこはチェックが入るように設定していて、注文が入ったら、本当に宿泊しているのか、カスタマーサービスから電話をかけるようにしています。
オンラインショップ利用者のうち、数%にも満たないのですが、とにかく金額が大きい。今では購入できない設定にしていますが、電動工具を数十個なんて注文もありましたからね。転売などへの対策も含めて、『O-PLUX』を採用したというのもあります」
通販歴20年の経験を活かし、柔軟かつ大胆な手腕で実店舗ありきのECサイトを運営している竹永さん。今後のカインズオンラインショップの展望とは。
「もちろん、売上はどんどん伸ばしていかないといけないのですが、日雑品を扱うECのほとんどが、売上高は高くても、儲けは少ないという現状があります。越境ECやインバウンド観光客のニーズが増えているといっても、それが来年も必ず続くかはわからない。その実情を踏まえると、従来のやりかたで、ECで日雑品を販売していっても限界があるので、そこにどう手を打っていくかですね。
もうひとつ、カインズ全体で見れば、いま、実店舗が200店舗あるのですが、同社が扱う商品の一ジャンル、DIY、ガーデニング、日雑品などの専門事業者さんがたくさん出てきています。その一ジャンルごとのコンペティターとどう違いを出して戦っていくか、それがカインズの全体も含めたウェブ戦略ではないか。さらにその中でECはどういうふうに生き残るのかを考えたいと思います」