ECはもっとリアルに近づき、もっと多様化していく
EC-CUBE3へのバージョンアップは、テクノロジーに強いベンダーたちからも喜ばれているという。これまで説明してきたような、新たなECへの挑戦が可能になったこともあるが、現実的に、セキュリティレベルがさらに向上したというのも一因だ。
「ECのシステムにおいて、セキュリティは外せない観点の1つです。これまでのEC-CUBE2もセキュアに作ってきましたが、バージョン3では、これまで以上に、カスタマイズなどを行っている際にも、セキュリティの不具合が起こりづらいようになっています。
わかりやすく言うと、バージョン2では、カスタマイズする制作会社さんの力量によって、セキュリティの不具合が起きる可能性が左右されていました。今回のバージョン3では、より、制作会社さんの力量に依存しないように作ってあります。もう1つは、アップデートがしやすくなったこと。今後、新たな不具合が発生しても、アップデートすることで、すぐに安心してお使いいただけるようになりました」
最後に改めて、株式会社ロックオン、EC-CUBE、そして金さんが見るECの未来についてうかがった。
「ECだからといって、必ずしもウェブブラウザで買うとは限らない時代になってきていると述べましたが、今後増えていく、シニア層のEC利用を考えてみると、電話で注文できてもいいわけです。
たとえば、化粧品の定期購入をしているとして、まだ使い切れていないので今月は、いつもより遅く送ってほしいという時がある。その際に、サイトにログインして、自分で1週間後に設定してというやりかたが、すべての人にとって使いやすいとは限りません。それよりはサイトに掲載されている電話番号にかけて、宅配便の再配達と同じように、機械音声で日時を変更できたら、ECのユーザーの層が結果的に広がるのではないでしょうか。
このように、ECはもっとリアルに近づいて、もっと多様になっていくと考えています。マーケティング施策、触れるデバイス、物流の受取場所など、すでにその動きは出てきています。その変化が、1つの方向に向かうのではなく、さまざまな方向にすごいスピードで進んでいくという形で起こると思うんです。
その1つひとつの変化に、都度対応していくのではなく、すべての基盤になりたいと考えて、EC-CUBE3を作りました。多様なECを実現したいという思いは、私も、株式会社ロックオンという会社も、はじめてEC-CUBEを作ったときから変わらないのですが、時代が求める多様化のスピードがさらに早くなり、EC-CUBE3ならそれに対応できると自負しています」
その多様化の具現化や株式会社ロックオンが考えるECの未来については、9月7日に開催されるイベント『EC-CUBE DAY 2015』で語られる予定とのこと。EC-CUBE3を基盤に、どのような新しいECが生まれていくのか、これからも注目したい。
9月7日開催!「EC-CUBE DAY 2015 ~未来(あした)の店舗を創造する~」
パルコ、ジュンク堂、LINE Business Partnersなど有名企業多数が登壇し、ネットでの新しい売りかたを考えるイベント「EC-CUBE DAY 2015」が秋葉原で開催。
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