AI検索時代に選ばれる店舗へ 短期間で手応えを得たローカルインベントリマーケティング事例2選
小売事業者のコミュニケーションを大きく変える可能性を秘めたローカルインベントリマーケティングだが、気になるのは実施後の成果だろう。牧村氏は、movが支援した事例の中から成果につながった代表的なものを二つ紹介した。
事例1:セレクトショップを展開するアパレル企業
「まずは、セレクトショップを展開するアパレル企業様の事例です。新たな施策としてローカルインベントリマーケティングを実施した結果、Google検索・Googleショッピング・Googleマップにおける店舗や商品情報の露出が2ヵ月で大幅に向上しました。その後も季節に合わせた商品露出や商品情報を充実させる運用によって、毎月継続的な効果を得ています」(牧村氏)

事例1の企業が得た成果
- Googleでの間接キーワード(例:メンズシャツなど)経由の流入数が増加
- ECサイトでの購買数が月20〜30件増加
- 店舗へのルート検索数が前年同月比23%アップ
事例2:オリジナル家具などを製作するインテリアメーカー
「次に紹介するのは、オリジナル家具などを製作しているインテリアメーカー様の事例です。メーカーの多くは自社商品が検索された際、ECモールや卸売店のECなど自社EC以外の数多くのサイトが一緒に表示されます。こうした環境下では、自社ECがGoogleショッピングの検索上位に表示されにくく、自社での販売機会を逃しがちです。実際にこちらの企業様も、施策に取り組む以前はフリマサイトが上位に表示されたり、メーカー名で検索しても無関係な商品が表示されたりしていました」(牧村氏)
同社は、ローカルインベントリマーケティングに取り組むことで、Googleショッピングの検索画面における自社商品の占有率を向上。ブランド名で検索したユーザーを確実に自社ECへ誘導できるようになり、自社EC経由の売上アップにも成功している。

事例2の企業が得た成果
- Googleショッピングの検索画面の大部分を自社商品で埋め尽くすことに成功
- ブランド名で検索したユーザーを自社ECへ誘導
- 自社EC経由の売上向上
インバウンド旅ナカ消費対策にもなる在庫情報表示 スムーズな実現は「ライトOMOサービス」で
小売事業者にとって、売り物であり資産ともいえる在庫情報がマーケティングに活用できるライトOMOサービス。同機能は、2025年10月に経営統合した株式会社Patheeが提供する主力プロダクト「STORECAST」に搭載されていた集客支援機能が前身となっている。

「STORECASTの既存顧客に行ったヒアリングでも、その価値が高く評価されていることを確認し、改めてサービスとしての将来性を確信しました。こうした機能は、ゼロからmovで開発するよりも、既に小売領域で専門性と確かな開発技術をもつPatheeとタッグを組むほうが市場のニーズに最も早く確実に応えられると判断し、現在は両社の強みを掛け合わせながら、小売の店舗・EC送客最大化に向けた取り組みを加速させています」(赤司氏)
「私は従来、STORECASTの開発・運営を指揮していましたが、口コミコムのライトOMOサービスはSTORECASTの従来モデルと比べ、様々な進化を遂げています。開発スピードも格段にアップし、よりスピーディーにブラッシュアップできる体制が整いました。インバウンドやオンラインマーケティング支援に強いmovと、オフラインの小売支援に特化したPatheeの強みや特性を掛け合わせ、さらに強固なローカルインベントリマーケティングを実現していきたいです」(牧村氏)
インバウンド支援にも強みをもつmovいわく、訪日外国人に向けた旅ナカ体験向上にもローカルインベントリマーケティングは活用できるそうだ。旅マエに検討していた欲しい商品が今いる場所の近くで購入できるとわかれば、スムーズに来店を促せる。こうした需要にも対応すべく、同社は2025年10月に口コミコムのオプションサービスとして「多言語フィードオプション」の提供を開始している。
「今後は、オンラインとオフライン両方の領域で、小売事業者に確実な価値を提供できるオンリーワンの存在になっていきたいと考えています」(赤司氏)
「AIの普及により、ユーザーが『この商品はどこで買えるの?』とAIに尋ねるのが当たり前な未来は、そう遠くないものとなりつつあります。現時点では、AIはローカルの在庫を参照していないためリアルタイムな回答はできませんが、それが実現し、事前に在庫データを連携している企業だけがAIにレコメンドされる未来はそう遠くないはずです。
こうした先の世界線を見据えながら、ライトOMOサービスなどの機能を通してユーザー目線で便利に、かつ小売事業者の売上にも貢献できる価値を追求し、小売市場の新しいスタンダードとなる世界を創っていけたらと考えています」(牧村氏)

